国際女性デーの8日、ニューヨーク証券取引所にある「フィアレスガール」(恐れを知らない少女、Fearless Girl)の周りに、打ち破られたガラスの天井のインスタレーションが設置された。
石畳の前に置かれたガラスの1枚には、「今日割れたガラスの天井は、明日への足掛かりとなる」と書かかれている。
4年前に像を設置した投資会社ステート・ストリート・グローバルアドバイザーズ(SSGA)のCEO、Cyrus Taraporevala氏は声明で、「今年のインスタレーションは、女性たちが毎日ガラスの天井(女性のキャリアを妨げる、目に見えない障壁)を打ち破り、新たな境地へと踏み出していることを象徴する」と説明した。
ジェンダー・ダイバーシティの重要性訴え
少女像は2017年の国際女性デー(International Women’s Day)の日、ボーリング・グリーンにある雄牛のブロンズ像「チャージングブル」前に、SSGAとューヨークの広告代理店マッキャンが設置した。
像には、金融業界をはじめとした各産業におけるジェンダー・ダイバーシティの重要性を訴える意味が込められている。設置直後からブルに毅然と対峙する姿が、男性優位社会の変革の必要性をうまく表現しているとして、大きな反響をよんだ。
今年2月にイタリアで亡くなったブル像の作者アルトゥーロ・ディ・モディカ(Arturo Di Modica)氏はニューヨークで会見を開き、ブルは「世界の自由、平和、強さ、愛の力だ。しかし、少女像がやってきた今は、悪くて脅威の象徴、ネガティブなものになった」と主張。投資会社による「広告の奇策」で著作権を侵害したと批判し、話題となった。
少女像は当初、期間限定で設置される予定だったが、デブラシオ市長は少女像の継続設置を支持した。2018年12月に少女像は、交通などの問題から、現在の証券取引所の前に移設されている。