カリフォルニア州知事選の候補者として名乗りを上げた、五輪金メダリストのケイトリン・ジェンナー氏(共和党)は、トランスジェンダーの女子が、女子スポーツで競うべきではないとの考えを示した。
自身がトランスジェンダーであるジェンナー氏(71)は、TMZの取材に「公平性の問題」と述べた上で、「だから私は、生物学的に男子のトランスの生徒が、学校で女子と競うことに反対している。公平ではない。女子スポーツを保護しなければならない」と話した。
トランスの女子の合法性を認めないことになるのではないかと聞かれると、記者の言葉を遮り「良い一日を」と話を終わらせた。
ジェンナー氏は、1976年のモントリオールオリンピックに、10種競技の米国代表選手として出場し、金メダルを獲得した。1991年にクリス・カーダシアン氏と結婚。人気リアリティ番組「カーダシアン家のお騒がせセレブライフ」に出演し、新たな名声を得た。2人の娘には、ケンダル・ジェンナーとカイリー・ジェンナーがいる。2014年に離婚した。2015年にトランスジェンダーであることを明かし、名前をこれまでのブルースからケイトリンに変えると発表した。
ジェンナー氏は同日、ツイッターの投稿で、取材を予想していなかったとしつつ「私の立場は明確だ。これは公平性の問題であり、学校の女子スポーツを守らなければならない」と表明した。
ワシントンポスト紙によると、34州の議会で、トランスジェンダーの女子が学校対抗の女子スポーツでプレーすることを禁止する法案が検討されている。アイダホ州、テネシー州、ミシシッピ州、アーカンソー州、サウスダコタ州では、すでに法が施行されているという。
フロリダ州では28日に、出生証明書が男のアスリートが、女子スポーツに参加することを禁止する法案が通過し、ディサンティス知事の元に送られた。
フロリダの法案に対して、NBAのマイアミ・ヒートや、NHLのタンパベイ・ライトニング、メジャーリーグサッカー、全米学スポーツ協会といった主要スポーツチームや団体が反対を表明している。
全国的では、ツイッターやアップル、マイクロソフト、ヒルトン、AT&T、アメリカン航空など大手企業70社は、トランスジェンダーのスポーツ規制に反対する意見書に署名している。
ジェンナー氏は、2016年大統領選でトランプ氏に投票したと述べていたが、2018年には、LGBTQの問題に関して「かつて最悪の大統領」と批判し、支持を撤回した。なおabcニュースの調査によると、ジェンナー氏が2016年の共和党予備選および一般投票で票を投じた記録はないという。
2016年の予備選の最中、トランプ前大統領が、ノースカロライナのバスルーム法に反対の姿勢を示し、自分のホテルでケイトリン・ジェンナーが女子トイレを使用しても問題ないと語ったことを受け、ジェンナー氏は、実際にトランプインターナショナルを訪問。女子トイレを利用する動画を公開した。