カリフォルニアの最低時給3,100円で、ファストフード店の人員削減が増加しているとの報道

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ファストフード店の最低賃金を時給20ドル(約3,100円)に引き上げたカリフォルニア州では、昨年9月の法案成立以降、1万人近くの雇用が失われている。

ファストフード業界の最低賃金は、他の業種の最低賃金(時給16ドル)より25%高く設定された。カリフォルニア経済産業協会(CABIA)の創始者、トム・マンゾ会長はFoxビジネスの取材に、カリフォルニア州のビジネスは「長年、攻撃にさらされてきた」と述べつつ、新法について「企業はさらなる危機にさらされた」と引き上げを非難した。

ギャビン・ニューサム知事は昨年9月、引き上げ法案の署名に際して、「勤勉なファストフード労働者に、より強い発言力と話し合いの場を与えることで、より公正な賃金、より安全かつ健全な労働条件、より良い訓練に一歩近づいた」と狙いを語っていた。

これについて、マンゾ氏は、賃金の上昇が労働者や企業の助けになると考える州政府は「ファンタジーの世界に生きている」と指摘。「ご覧の通り、みなビッグマックに20ドルを支払うことはない」としつつ、従業員の勤務時間を削減し、さらなるオートメーション化の促進につながるだろうと加えた。

CABIAは先週、USAトゥディ紙に、ファストフードの「お悔やみ広告」を掲載した。「ニューサムの最低賃金による被害者」と題した広告で、店舗閉鎖や人員削減を敢行したファストフード・チェーン店を列挙。昨年9月以降に9,500人の雇用が消失したとして、州政府の政策を批判した。

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そのうちの一つ、メキシカンのチェーン店ルビオス・コースタル・グリルは先月、「事業コストの上昇」を理由に134店舗のうち48店舗を閉鎖。5日には、チャプター11に基づく破産法の適用を申請した。

ニューヨークポスト紙によると、同州のスターバックスは4月1日以降、飲料を50セント値上げ、タコベルも3%の値上げに踏み切った。

レンディング・ツリーの調査では、人件費やインフレによるメニュー価格の高騰により、消費者の78%はファストフードは「今や贅沢品」とみなしているという。