カリフォルニア州議会下院で20日、大麻に関する規制を緩和する法案が通過した。今後は上院で審議が行われる。
法案を提出したマット・ヘイニー氏によると、州では現在、専用のラウンジで大麻を消費することが可能だが、大麻ショップはコーヒーや食事、エンターテイメントといった大麻以外の商品を提供することが禁止されている。成立すると、大麻を吸いながら食事やライブが楽しめる「アムステルダムスタイルカフェ」が可能になるとしている。
昨年は上下両院を通過したが、ニューサム知事が喫煙からの職場の保護を理由に拒否権を発動し、成立にいたらなかった。
ロサンゼルスタイムズによると、こうした懸念に対応するため、新たな法案ではラウンジの「家裏」での喫煙を禁じるといった、大麻の消費場所と作業エリアを分離するルールが盛り込まれた。営業認可は州ではなく、各自治体が判断することになるという。
下院を49-4の圧倒多数で通過した法案だが、強く反対する声も上がっている。米国がん協会がん行動ネットワークとアメリカ心臓協会、アメリカ肺教会はいずれも副流煙による健康被害の可能性を指摘。「過去の有害な労働環境を再現する」ことで、苦労して成し遂げた職場の保護を損なうと非難している。
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昨年は知事によって拒否されたが、今年は政府の規制緩和が思わぬ追い風になるかもしれない。
バイデン大統領は5月、連邦法の規制物質法(CSA)における大麻の位置付けを、ヘロインやLSDと同等のスケジュールIから、処方箋があれば入手が容易なスケジュールIIIに再分類する計画を発表した。ポリティコによると、違法薬物であることに変わりはないが、大麻関連企業の税負担の軽減や大麻研究をより促進するとみられている。