電子タバコによる健康被害が拡大している問題に関し、米疾病予防管理センター(CDC)は8日、ビタミンEアセテートが肺疾患の原因物質である可能性があると発表した。
10州の29人の患者の肺液の検査をしたところ、同物質が共通して検出されたという。このほか、大麻成分のTHCは82%、ニコチン成分は62%の患者から検出された。
同センターのアン・シュチャット(Anne Schuchat)副所長は会見で、「肺の中の損傷部位にあるビタミンEアセテートが、直接的な証拠を示している」と肺疾患との関連を強調。一方、検査は他の化合物や成分の可能性を排除するものではない、と原因が複数に上る可能性を示唆した。
ビタミンEアセテートは、サプリメントとして飲み込んだり、局所的に肌に塗布しても害を起こさないが、吸入すると肺機能を妨げる可能性があるという。
シュチャット氏は同物質の用途について、THC成分を希釈したり見栄えをよくしたりするなど、「不正または利益目的で行われた可能性がある」と見解を示した。
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同センターはまた、非公式なルートで入手したTHC製品が多くの症例と関連していると指摘。THCを含む製品の使用を控えるとともに、路上での購入をしないよう注意を呼びかけている。
発表によると11月5日の段階で、電子タバコによる肺疾患の症例は2051件に上り、死者数は39人に達している。