米疾病対策センター(CDC)高官は25日、米国内での新型コロナウイルスの感染拡大は避けられないとの見解を示し、深刻な状況に備える必要を述べた。
CDCの国立予防接種・呼吸器疾患センターのナンシー・メッソニエ(Nancy Messonnier)所長はメディアに向けた電話報告で、「より多くの国で感染が拡大するにつれ、国境での封じ込めはより厳しくなっている」と発表。感染拡大が「起きるかどうかの問題ではなく、いつ発生して、国内のどれほどの人数が重病にかかるかの問題だ。」と述べ、「日常生活への混乱は深刻になりうる」と語った。
パンデミックの3つの要件のうち、2つを満たしているとし、国内の企業と家族はより広範なアウトブレイクに備える必要があると述べた。
また、この場合の学校と企業の対応についてアウトラインを提示。学校では、生徒を少数のグループに分割するほか、状況が深刻な場合、学校を閉鎖してインターネットベースの授業に切り替えるなどの対応を示した。企業についてはミーティングをビデオや電話会議に置き換え、テレワークの機会を増やすなどの対応を例示した。
現在の中国本土の感染者数は77,000人を上回っている。中国以外の感染者は2,000人以上。米国ではクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から送還した40人を含む57人の感染が確認されている。
CDCの発表と対照的に、トランプ大統領は24日、ウイルスは制御下にあると述べるなど、楽観的な見方を示していた。
トランプ氏はツイッターで「米国ではコロナウイルスをしっかりとコントロールできている。われわれはすべての人々と関係各国と連絡を取り合っている」と述べ、「CDCと世界保健機関は非常に熱心に、懸命に取り組んでいる。私には株式市場は良くなり始めているように見える」と述べた。
週明け24日のダウ工業株30種平均は急落した。終値は前週末比1,031ポイント安となり、約2年ぶり、史上3番目の大きな下げ幅を記録した。25日も下落が続き、下げ幅は一時900ポイントを超えた。