ニューヨーク市警察は7日、ウォール街のシンボルとして親しまれる巨大な雄牛のブロンズ像チャージングブル(Charging Bull)を傷つけたとして、テキサス州ダラス在住の長距離トラック運転手、テヴォン・ヴァーラック(Tevon Varlack)容疑者(42)を、器物損壊と武器の不法所持の疑いで逮捕した。
ヴァーラック容疑者は同日午後12:30ころ、銅像に近づき、バンジョーのようなもので頭部を強打したという。ブルの右側の角の付近には現在、生々しい傷跡が残っている。
8日に行われた罪状認否でヴァーラック氏は罪を認めた。ニューヨークポスト紙によると、ニューヨーク市刑事裁判所のアレサ・ドライデール(Althea Drysdale)判事は、同氏に対して市内にあるランドマークに近づかないよう命令。「再びブルを訪れることがないように。」と述べた。ヴァーラック氏は保釈金なしで釈放され、10月16日に再び出廷する予定となっている。
ヴァーラック氏は法廷で「十戒を忘れたもうことなかれ」と書かれた白色のTシャツを着用。生き生きとした様子だったといい、裁判所職員に手を振るしぐ場面もあった。ヴァーラック容疑者と一夜を共にした他の受刑者は、同氏がゴスペルを歌い、説教をしていたと語っている。
チャージング・ブルの作者、アーティストのアルトゥーロ・ディ・モディカ(Arturo Di Modica)氏はポスト紙に、パブリシティのための犯行だと述べ、「彼は逮捕されて、新聞に載ることを知っていた。ブルを殴りたかったわけではなかった」と語った。モディカ氏の推定によると、損害費用は1万ドル(約106万円)から1万5千ドル(約160万円)だという。
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