今年5月に行われるチャールズ国王の戴冠式にヘンリー王子とメーガン妃を招待するべきかをめぐり、国王とウィリアム皇太子の間でトーンが分かれているという。デイリーメールが、情報筋の話を元に伝えた。
同紙によると、チャールズ国王は二人の出席を希望しており、兄弟が互いに合意することを望んでいる。国王としては、夫妻の欠席が、出席する場合よりも式典に水をさす可能性があると考えているという。
昨年のエリザベス女王の死後まもなく、英国教会のトップ、カンタベリー大主教のジャスティン・ウェルビー氏に、二人の合意をとりつける仲介役の依頼があったともいう。ウェルビー氏は、ウェストミンスター寺院で開催される式典で、国王に王冠を授ける役割を担う。
一方のウィリアム皇太子は、ヘンリー王子がイベントをアピールの場として利用するのではないかと、懸念を示しているという。
皇太子は、弟の訪問がきちんと「台本化」されなければ、貧困地区に出向くなどして注目を奪いかねないとも考えており、ある情報筋は、問題は出欠に加えて、「出席するとしたら、どのような条件で出席するかということだ」と話している。
王室の打診をヘンリー王子がいかに受け取るかは不明だ。
昨年12月にリリースされたネットフリックスのドキュメンタリー番組「Harry & Meghan」では、タブロイド紙非難と並んで王室に批判的な主張が多分に含まれた。1月に発売された回顧録「Spare(スペア)」では兄弟の不仲を思わせるエピソードを暴露した。
出版にともない応じた一連のインタビューでは、王室との対話再開に前向きな姿勢を示し、戴冠式に出席する意向を示したが、その一方で王室に謝罪を要求するなど、厳しい姿勢を示している。
関係者によると、ヘンリー王子は、現段階で何事にも合意せず、最後の最後まで長引かせるよう助言を受けているとみられ、これが返って王室側との交渉を困難にしているという。
交渉は、爵位剥奪論議とセットなのかもしれない。ヘンリー陣営は、王子が戴冠式におとなしく出席した後に、爵位を剥奪されるのはありえないと主張しているほか、自分の意思で放棄する可能性はあっても、強制的な剥奪には反対する姿勢を示している。
国民の意識はどうだろうか。
ドキュメンタリーや回顧録の商業的成功と裏腹に、一部の世論調査では、ヘンリー王子とメーガン妃の人気の急落ぶりが示されている。
イプソス・モリが1月10日と11日に英国の成人を対象にした世論調査の結果によると、ヘンリー王子の支持率は前月から7ポイント低下、メーガン妃は5ポイント減少。それぞれ23%と19%となり、ジェフリー・エプスタインとの関係や未成年に対する性的暴行疑惑が取り沙汰され、公務引退に追いやられたアンドルー王子(10%)とともにワースト3位にランクインした。ちなみに2018年のヘンリー王子の支持率は70%だった。
この一方、2日前に発表されたイプソスの調査では、英国の成人の6割が、王子を戴冠式に招待するべきと回答。反対は30%だった。結果についてイプソスは、ヘンリー王子はかつての人気を失ったものの、国民に和解を望む声があることが示されたと分析している。