新型コロナウイルスに関し、米国内の居住者間で感染した初めてのケースが確認された。
これまで、米国の症例は中国からの帰国者に限られていた。
米疾病予防管理センター(CDC)は30日、シカゴの患者が、最近中国の武漢から帰国した配偶者から感染したと発表した。
CDCのロバート・レッドフィールド医師(Robert R. Redfield)は「心配であることを理解している」と述べつつ「われわれのアセスメントでは、現在も米国の公衆衛生に対する危険は低い。」と述べている。
中国に旅行した女性は60代で、体調は良好だが、感染拡大を防ぐために入院を続けている。同年齢の夫も病院におり、容体は安定しているという。
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CDCは、国内の人から人への感染例は「近接した人物の間」に限定されていると強調する一方、感染がいかに容易かつ持続可能であるか、全体像は今の所不明だとし、人物間の感染が連続的に発生する可能性があると発表した。
中国国家衛生健康委員会は30日、本土の感染例が7,711件に増加し、感染による死者数は前日の発表から38人増え、170人に達したと発表した。
これまでのところ死者が報告されているのは中国のみ。症例は少なくとも21カ国で確認されている。
今週、米国務省は旅客機をチャーターし、約200人のアメリカ人を武漢から米国に避難させた。北京の米国大使館は翌週に追加のフライトを手配する計画を示唆している。
WHOは緊急事態宣言
世界保健機関(WHO)は30日、ウィルス感染者の世界での拡大を受け、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。
米国務省は同日、中国への渡航警戒レベルを4段階中最高の「レベル4」に引き上げ、中国に渡航しないよう勧告を行っている。