シカゴ市は、先日ヘイトクライムの自作自演容疑が不起訴処分となった米俳優ジャシー・スモレット(Jussie Smollett)氏(36)の弁護団に対し、13万ドル(約1,440万円)の捜査費用返還を請求したことを明らかにした。
FOXニュースなどによると、市の法務局は、捜査で費やされた残業時間13万ドル分の「即払い」を求めており、もし7日以内に支払われない場合、市に虚偽の陳述を行ったとして、あらゆる方法で法的な賠償を求める所存だとしている。
不起訴の理由は?
イリノイ州クック郡州検事局は26日、スモレット氏の虚偽通報など16件の重罪に対して、「社会奉仕や1万ドル(約110万円)の保釈金を市に納めることに同意したことで、不起訴処分の判決を下した。」と声明を発表した。
ジョー・マーガット(Joe Magats)検察官は「容疑が晴れたわけではない。」としながらも、「スモレット氏に犯罪歴がなく、暴力のけん引役になると思わない。」と不起訴理由をメディアに語った。
この処分に対し、異議を唱えているシカゴ市のラーム・エマニュエル(Rahm Emanuel)市長は28日の記者会見で、スモレット氏は市に捜査費用を返済すべきたと述べ、「彼には懺悔や自責の念がまったく感じられない。よって小切手を切る際には、メモ欄に”でっち上げの責任を負いました”と書くことを推奨する」と述べた。
一方で、スモレット氏の弁護団は、エマニュエル市長とエディー・ジョンソン(Eddie Johnson)警察本部長に対し、「無実の男性の名声を汚した。ジェシーは十分な代償を支払った。」として両者への謝罪を求めている。
トランプ大統領は「国家の恥」と批判
トランプ大統領は28日、処分内容は「我が国の恥だ」として、FBIと司法省に”理不尽な”事件を調査を求めるとツイートした。
スモレット氏は、今週土曜日、全米黒人地位向上協会(NAACP)が開催するNAACPイメージアワードにノミネートされている。CBSニュースによると、スモレット氏が出席するかどうかは明らかとなっていない。