HBOドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」の17年ぶりの続編「And just like that …」では、50代となった主人公たちの、ニューヨークライフが描かれる。初回エピソードで、主要キャストが死亡するという、衝撃の展開で幕を開けた。
(ここからはネタバレが含まれます)
死亡したのは、主人公キャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)の夫、ミスター・ビッグ。自宅にあるペロトン社のフィットネスバイクでエクササイズした後、シャワーを浴びようとした際、心臓発作で倒れた。
あまりに衝撃に、米国では大ブーイングが上がった。中でも、なぜキャリーは、すぐに救急車を呼ばなかったのかという素朴な疑問が寄せられている。
ビッグには意識があり、応急手当てを施したら、助かる見込みがあったのではないかと指摘する声が上がっている。
「俳優のジョナ・ヒル:しかしなぜ、キャリーは911にすぐに通報しなかったの?」
このシーンには、理由があったようだ。ミスター・ビッグ役を演じるクリス・ノースが、Vogueのインタビューに自ら語っている。
最期の場面は、1967年の映画「俺たちに明日はない」のラストシーン(逃走中の強盗犯ボニーとクライドが、銃撃で殺害される直前、お互いに目を合わせる)に、インスパイアされたものだという。
「ウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイは、お互い最後だと悟った。われわれも、そうしなければならないと思った」と説明。続けて「1人で、バスルームで死ぬべきではない。2人には、最期の瞬間がなければならない。言葉や、陳腐な会話は不要で、ただ一目見るだけでよかった。(プロデューサーで監督、脚本家の)マイケル・パトリック・キングは、それを美しくやってのけたと思っている」と話した。
「最期の瞬間を分かち合うために、キャリーが、かろうじて生きているビッグを発見することが重要だった」と語っている。
なお撮影場所には、多くのパパラッチが待ち構えていたため、ネタバレしないよう「フェイクシーン」まで撮影されたという。SNSには、葬儀場にクリス・ノースが出入りするシーンが撮影される様子が投稿されていた。
なおドラマで、プロダクトプレイスメントを提供したペロトン社も、放送後に株価が下落するなどの影響を受けた。
性的暴行疑惑相次ぐ
あっけなくこの世を去ってしまったミスター・ビッグだが、実生活でも「致命的」ともいえる出来事があった。
放送後まもなく、ハリウッドレポーターなど複数のメディアが、クリス・ノースの過去の性的暴行事件を報じた。これまでに4人の女性が被害を訴えた。
クリス・ノースは、疑惑は否定しているものの、マネージメント契約の解除や、CBSドラマ「イコライザー」を降板する事態に発展している。