「選択的憤りだ」クリス・ロックがウィル・スミスに一年越しの反撃

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昨年のアカデミー賞授賞式のウィス・スミスの「ビンタ」騒動から一年。クリス・ロックが、とうとうコメディのネタにした。

ウィル・スミスは昨年、アカデミー賞の授賞式で、プレゼンターを務めたコメディアンのロックが自分の妻、ジェイダの坊主頭をからかったことに憤慨。壇上にのぼり、平手打ちを食らわせた。ジェイダはかねてから脱毛症に悩まされていたという。この様子は世界に生配信され、賛否両論の議論に発展した。

4日にネットフリックスで生配信されたスタンダップショーで、ロックは、ウォークやキャンセルカルチャーなど、昨今の米国の社会事情を面白おかしく揶揄。「みんなが犠牲者になろうとしている」とした上で、「白人が、自分たちが運営する政府を転覆させようとした」と議事堂襲撃事件について話し、「植民地主義を発明」した英王室の王子と結婚したメーガン妃が、差別を受けたと不平を述べているとからかった。

ビンタに触れたのはショーのハイライト。「みんな、俺がシュグ・スミスに叩かれたこと知ってるだろ?」と短気で知られるデス・ロー・レコードの元共同創始者マリオン・シュグ・ナイトにかけたあだ名で呼びつつ、「みんなは痛かったか?」と尋ねるが、「まだ痛いんだ。サマータイム(スミスのラッパー時代のヒット曲)が鳴り響いている」とジョークを飛ばした。

「でも、俺は犠牲者になんかならない。オプラやガイルに泣きついたりしない」と大物司会者のインタビューに出演して被害を訴えるような真似はしないと述べ、「俺は、パッキャオのように一撃を受け止めたんだ」と話した。

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続けて、モハメド・アリ役を演じたことのあるウィル・スミスの体格の良さと、自身を比較した上で、ウィル・スミスの振る舞いは、都合の良い攻撃相手を選ぶ「選択的な憤り(Selective Outrage)」だと主張した。ちなみに、今回のショーのタイトルも「Selective Outrage」とされている。

ロックの考えによると、スミスの怒りは、自分とは関係のない夫婦間の問題に端を発するもので、「みんな彼の妻が、自分の息子の友人とファックしたことを知っている。俺はいつもはこんなこと話さないんだけど、どういったわけか、彼らはインターネットにあげたんだ」と揶揄。「才能ある二人がなんでこんな下劣なことをするのか理解できない」と述べ、「彼女は、俺なんかよりもずっと彼を傷つけた」と加えた。

ジェイダとスミスは、2020年に放送したオンラインのトークショー「レッド・テーブル・トーク」で、ジェイダが歌手のオーガスト・アルシーナと肉体関係にあったことを認めた。

ロックは、この放送をめぐってスミスがハリウッド中からけなされたと説明。自分も「お悔やみ」を告げようとしたと明かした上で、「彼の妻をプレデター呼ばわりした。みんなが彼をビッチと呼んだんだ。で、彼が殴ったのは誰だ?俺だよ。あいつは自分が倒せるのを知っていたんだ」と話すと、会場が歓声に包まれた。

ロックはまた、そもそもの問題は数年前から始まっていたとも示唆。2016年の授賞式でホストを務めた際、ジェイダから出演するべきでないと忠告があったと述べ、理由は、NFLと選手の脳障害の問題を扱った映画「コンカッション」で、主演のスミスがノミネートされなかったからだと明かした。「それで奴が俺に脳震とう(コンカッション)を与えたんだ」とジョークを加えた。

今年のアカデミー賞授賞式は3月12日に開催される。

Mashup Reporter 編集部
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