イベルメクチンを推奨? ワクチン拒否の保守系ラジオホスト コロナで死亡

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先月新型コロナウイルスに感染し、入院をしていた保守派のラジオトークショーホスト、フィル・バレンタイン氏が死亡した。61歳だった。ラジオ放送局SuperTalk 99.7 WTNが明らかにした。バレンタイン氏は、ワクチンの接種を拒否し、マスクの着用義務化にも異議を唱えていた。

感染を公表したのは先月11日。自身のフェイスブックで「噂は本当だ。コロナに感染した」と述べ、「私を嫌う人たちには悪いが、きっと戻ってくる」と宣言した。感染は「興味深い経験」と余裕を見せつつ、復帰後にはリスナーの期待に応えると約束。「明日には戻れるよう望んでいるが、念のため1日休養するかもしれない。難しい選択だ」と述べていた。

ところがこの約10日後、放送局がFBで家族の声明を共有し、バレンタイン氏の容態が悪化していることを報告した。家族は声明で「入院し、極めて深刻な病状であり、新型コロナによる肺炎やその他の症状に苦しんでいる」と説明。「ICUで治療を受けていて、自力での呼吸は困難だが人工呼吸器は使用していない」と明かし、最後に「ワクチンを接種して!」とファンに強く呼びかけた。

バレンタイン氏は1995年、テネシー州ナッシュビルで放送を開始したトークショーのホストとして人気を集め、のちに番組が全米各地で放送されるようになった。ワクチンに懐疑的な言動で知られ、昨年12月にはツイッターで、自身がコロナに感染、または死亡するリスクは非常に低いと主張。「心臓発作や麻痺のリスクを抱えてまで、なぜワクチンを接種するんだ?」と投稿していた。さらに「Vaxman」と呼ぶパロディーソングを作ってワクチンを揶揄したこともあった。

AP通信によると、バレンタイン氏の容態が悪化した後、兄弟のマークさんがラジオに出演し、バレンタイン氏がワクチン接種を推奨してこなかったことを後悔していることを明かした。マークさんはリスナーに向け「彼は今なら『ワクチンを受けてくれ。政治に惑わされるな。陰謀論も気にするな』と言うだろう」と語り、接種を呼びかけた。

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ビタミンDとイベルメクチンを服用か

AP通信によると、バレンタイン氏は入院する前にラジオで「ビタミンDを狂ったように飲んでいる」と明かし、抗寄生虫薬「イベルメクチン」を医師が処方することに同意したとも語っていた。

また感染公表から数日後には、フェイスブックの投稿で「よい知らせは、ワクチンに変わる効果的な代替物があるということ」と述べつつ、コロナに感染した場合の備えとして、ビタミンDやイベルメクチンの必要性を唱えていた

イベルメクチンについて、食品医薬品局(FDA)では、糞線虫症とオンコセルカ症と呼ばれる寄生虫によって起こされる症状の治療のための錠剤、または、アタマジラミの治療のための外用剤に承認を与えている。新型コロナの治療薬としては承認していない。

病院で処方を受けられないことから、馬や牛向けの薬を使用して医者にかかるケースが増加しており、FDAは先日、ツイッターで「君たちは馬ではない」と異例の警告を発した。動物用のものは高度に濃縮されていることから、人体用のものとは非常に異なり、大変危険だとしている。

ビタミンDの服用に関しても効果は確認されておらず、米国立衛生研究所(NIH)は、新型コロナウイルスの予防、治療目的での使用に関し、推奨するだけの科学的根拠が出ていないとしている。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。