28日、ラッパーのクーリオ(Coolio)さんがロサンゼルスで死去した。59歳だった。
マネージャーのジャレス・ポージー氏はTMZに対し、友人宅を訪れていた際に急死したと明かした。同サイトによると、クーリオさんはこの日、体調を崩し、バスルームに長時間こもっていたという。友人が外から名前を呼んでも反応がなかったため、中に入ったところ、床に倒れていた。
救急隊員が駆けつけたが、その場で死亡が確認された。死因は今後特定されるが、ポージー氏によると、救急隊員は、心停止による死亡だと語ったという。
警察は現時点で、事件性はないとみている。情報筋はTMZに、現場で薬物や関連する器具などは発見されなかったと話した。
クーリオさん(本名、アーティス・レオン・アイビイ・ジュニア)は1963年8月1日、ペンシルベニア州で生まれ、カリフォルニア州ロサンゼルスのコンプトンで育った。同地区は、ドクター・ドレーや、ケンドリック・ラマーなどのラッパーを輩出している。
ニューヨークタイムズによると、小さい頃は本好きで、喘息持ちだったが、10代でギャングメンバーとなり、犯罪に手を染めた。薬物中毒になったこともある。20代は父の住むサンノゼに移り、ボランティアの消防士を務めていた。
西海岸のヒップホップブームに乗り、全米での人気が高まった後、インディレーベルのトミー・ボーイ・レコードと契約した。
1994年から2009年の間、8枚のアルバムを発売。1995年にリリースした「ギャングスタズ・パラダイス」(Gangsta’s Paradise)は、ミシェル・ファイファー主演の映画「デンジャラス・マインド/卒業の日まで」(1995)のサウンドトラックに使用され、ビルボードのホット100チャートで3週連続1位を獲得した。翌年、グラミー賞を受賞している。
音楽雑誌SPINは、ギャングスタを「偉大なポップミュージック」と称し、「年中聞くことのできる最もスタイリッシュかつ広範なメインストリームラップアルバム」と評価。クーリオさんについて「強力なコマーシャルミュージックを作りながら、常軌を逸したパーソナリティを投影できる」アーティストだと称した。
デビューアルバムのオープニングソング「Fantastic Voyage」(1994)は、ビルボードのホット100チャートで3位となったほか、「1,2,3,4 (Sumpin’ New)」「It’s All the Way Live (Now)」などのヒット曲をリリースした。
▼パッヘルベルの「カノン」をフューチャーした「C U When U Get There」(1997)
俳優としても活躍しており、「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」(1997)や、キルスティン・ダンスト主演の「恋人にしてはいけない男の愛し方」(Get Over It)、ベン・アフレック主演の「デアデビル」(2003)などに出演している。