CNNのベテランホスト、アンダーソン・クーパー氏は、スティーブン・コルベアの深夜のコメディ番組「The Late Show」で、選挙の世論調査について「心の底では信じていない」と語った。
「私は世論調査について報道しており、どのようなトレンドにあるのかなど特定のトピックについて見たり話したりするは興味深い」としつつ、「しかし、世論調査を見る上で優秀な人々もいるが、実のところ、私は心の底では信じていないと思う」と語った。
続けて、「私にとっては鳩の赤ちゃんのようなものだ」と説明。「彼らは存在するが、見たことがない。でも存在はしている」と、真に正確な世論調査を目にするのは困難との考えを語った。
RealClearPoliticsによる各社の世論調査の平均では、現在、全国でハリス氏がトランプ氏を1.9ポイントリードしている。
勝敗を左右する激戦州でも互角の争いが続いている。トランプ氏はアリゾナ州(+1.6)とジョージア州(+1.7)、ノースカロライナ州(+0.1)でわずかにリード。ハリス氏はネバダ州(+0.2)、ウィスコンシン州(+1.0)、ミシガン州(+1.7)、ペンシルベニア州(+0.7)でトランプ氏を上回っている。
なお、トランプ氏の支持率は歴史的に実際の結果よりも低く見積もられる傾向にある。
ヒラリー氏が勝つ確率が90%とも報じられた2016年の選挙では、選挙当日のRealClearPoliticsによる全国の平均値では、ヒラリー氏が3.2ポイントリードしていたが、結果は2.9ポイントの僅差だった。
トランプ氏を勝利に導いた激戦州では、世論調査で劣勢にあったトランプ氏が4州でヒラリー氏のリードを覆した。ウィスコンシン州では世論調査と最終結果の乖離は7%に達した。
専門家の見解では当時、有権者の教育レベルが適切に反映されるようサンプルが十分に調整されていなかったなどの問題が指摘された。ニューヨークタイムズによると、成人を対象とした一般的な全国世論調査では、回答者の約45%が学士号以上の学位を持っていたが、国勢調査では成人の28%しか学位を持っていなかった。また、投票する可能性が高いと答えた回答者の50%強が学位を持っていたが、投票データでは、学位を持っているとした有権者は40%だった。ピューリサーチセンターによると、2016年の学位保有者の得票率は、ヒラリー氏57%に対してトランプ氏は38%だった。反対に学位を持たない者の得票率はトランプ氏がヒラリー氏を7ポイントリード(50% : 43%)、白人で学位を持たない者では、トランプ氏とヒラリー氏の差は36ポイント(64%:28%)に広がった。
反省を踏まえたはずの2020年は、精度がさらに低下したとされる。
ポリティコによると、大統領選の最後の2週間に行われた全国世論調査と結果の差は平均4.5ポイントで、各州の世論調査との差の平均は5ポイント強に広がった。誤りのほとんどは、バイデン氏に対する過大評価よりも、トランプ氏の支持を過小評価したことから生じたとされる。選挙結果と世論調査の数値を比較すると、トランプ氏の支持は平均で3.3ポイント過小に評価され、バイデン氏の支持は平均1ポイント過大に評価されていたという。