ニューヨーク州のクオモ知事は16日、新型コロナウイルス対策として、ニューヨーク市の飲食店に「3ストライク」ルールを設けると発表した。
店側に対して、顧客にソーシャル・ディスタンスの順守やマスク着用の徹底を求める内容で、3回目の違反で、州は営業停止を命じることができる。悪質な場合、3回目の違反前にリカーライセンスの停止や、店名が公表される。州の酒類管理局(State Liquor Authority)が取り締まりを実施する。違反店を発見した一般人は、同局(https://sla.ny.gov)に写真や店名などを通報することができる。
飲食店の前に人々が密集しているとの苦情が相次いでいるとし、クオモ氏は「これは全て誤りだ。危険かつ自己中心的で、許容できない、そして違法行為だ」と語った。
ノーフード、ノーアルコール
またクオモ氏は、屋外での飲酒が増加していることから、州全域のバーやレストランで、食べ物を注文しない顧客への酒類の販売を禁じると発表した。
クオモ氏は、「アウトドア・ダイニング」と「アウトドア・バー」は違うと述べ、酒類のテイクアウトについて「最初から承認されるべきではなかった。テイクアウトのアルコールは自宅に持ち帰って飲むべきものであり、それを屋外で飲むことは許可していない」と述べた。同規定は17日から施行される。
規制強化に対し、業界からは反発の声も上がった。レストラン業界の団体、NYCホスピタリティ同盟の役員を務めるAndrew Rigie氏は、飲食店のオーナーや従業員が、店内の顧客にソーシャル・ディスタンスを求めるのは彼らの責任だが、通りにいる人々を取り締まることはできないとニューヨークタイムズに語っている。
新たな規制をかいくぐるため、1ドルの「クオモ・チップス」を販売する店も現れた。
NY市 経済再開の第4段階について
ニューヨーク市では20日より、経済再開の第4段階のスタートを予定している。クオモ氏は、当初対象となっていたモールや文化施設など、屋内でのアクテビティに関しては許可しない意向を示した。明日正式に発表するという。
ニューヨーク州の15日の新規感染者数は769人。検査数72,685件に対する陽性率は1.06%だった。現在の入院患者数は813人。死亡者は14人だった。