ロシア出身のダニール・メドベデフ選手が、騒々しいことで知られる全米オープンテニスの観客に大激怒。暴言をはく出来事があった。
第3シードのメドベデフは31日、クリストファー・オコネル選手と対戦。第1、2セットを連取した後、第3セットを6-7 (8)で落とした。
ニューヨークポスト紙によると、メドベデフはこの時点で、イライラを募らせていたという。第4セット前の休憩中、隣で撮影していたカメラのレンズを手で払いよけるなど、八つ当たりしている。
第4セットに入り、サーブをしようとした際、座席に戻ろうとした観客にブチギレ。「君たち、静かにできない?アタマおかしいの?」とジェスチャーを交えながら激怒した。
カメラに捉えられた女性は、投げキッスを送って着席。メドベデフの暴言に、ブーイングの声が上がり、会場は騒然となった。
メドベデフと観客のバトルは、全米オープン名物と化しているようだ。ネットでは、あまりのキレやすさに「ジョコビッチの門下生だ」との皮肉の声も。
このメルトダウンによって、集中力を持ち直したのだろうか。第4セットを6-2で奪い、3回戦進出を決めた。
勝利後のインタビューでは、観客の反応について「時によりけりだ。誰もどうなるかわからない。まるで宝くじのように」と述べ、今回は状況を好転させるのに役立ったと振り返った。
テニス界の「悪役」?
メドベデフは2019年の全米オープンでも、審判から反則を取られ激怒。観客から大ブーイングを受けている。
フェリシアーノ・ロペス選手との第3回戦で、ボールパーソンからタオルをひったくったとして審判から違反を言い渡されると、メドベデフはラケットを投げつけ、中指を立てて反発。観客はこの行為の後、ロペスに大声援を送り続けたという。
この時の試合は接戦の末、メドベデフが勝利を手にした。勝利後のインタビューでは、ブーイングの声が鳴り響くなか「今夜は君たちのエネルギーが、僕に勝利をもたらしてくれた」「君たちのおかげだ」などと皮肉混じりの感謝を述べた。
↓2019年のUSオープン。観客からの大ブーイングを浴びながら、満足そうな表情を浮かべるメドベデフ選手は、このエネルギーで決勝戦まで勝ち進むと宣言。
批判をエネルギーへと変えていく姿に、当時のポスト紙は「全米オープンに新たなビランが誕生」と伝えている。