米高級食料品店ディーン&デルーカ(Dean & DeLuca)は29日、ニューヨークのソーホー店で、店内の調理器具や食器などのオークションを行った。地元メディアGothamnistが報じた。
ソーホー店は、10月上旬より「一時閉鎖」を発表していた。Gothamnistによると、オークションは、店頭の張り紙で告知し、一般人にも解放された。参加者のほとんどは飲食業界関係者で、人数は少なかったという。
支払いは現金のみで、業務用パンのスライサーや、コーヒーミル、レンジ、トレー、ディスプレイ用の木製棚、鍋などの調理器具、食器類、瓶、調味料、コーヒーなどがオークションにかけられた。現在、ウェブサイトも閉鎖されている。
ディーン&デルーカは、ジョージオ・デルーカ氏と故ジョエル・ディーン氏が1977年にソーホー(121 Prince Street)で創業した。1988年に現在の場所へ移転。
2014年、タイの富豪で起業家のソラポ・テシャクライシー(Sorapoj Techakraisri)最高経営責任者(CEO)が経営する不動産会社ペース・デベロップメント(Pace Development)社が1億4,000万ドルで買収している。
ニューヨークタイムズは今年7月、ディーン&デルーカの納入業社に対する支払い遅延や、スポンサー契約の破棄、家賃滞納などが生じており、事業縮小を計画していることや、ペース社の経営悪化を報じていた。
同社は4月にはミートパッキング地区にオープンしたコンセプトカフェ「ステージ」(STAGE)を閉鎖したほか、9月下旬にニューヨークタイムズビル1階の店舗を突然閉鎖している。
ロイターは21日、ペース社銀行債務26億バーツ(8,600万ドル)の返済が今月18日に不履行に陥ったと報じた。
なお、日本で展開するディーン&デルーカ事業の営業権などのライセンスは2016年に株式会社ウェルカムが取得。同社は7月、米国の事業経営悪化による影響はないと発表している。