ニューヨークのブルックリン地区ミッドウッド(Midwood)にあるピザの有名店「ディ・ファラ」(Di Fara)が20日、税金滞納によりニューヨーク州税務当局に差し押さえられた。ABCニューヨークが報じた。
当局の広報担当ジェームズ・ガザレ(James Gazzale)氏によると、16万7,000ドル(約1,780万円)以上の税金が未払いとなっている。ガザレ氏は「差し押さえは最終手段である。」としながらも「債務問題を解決し、すぐに事業が再開できるよう事業主と連絡を取り合っている。」とメディアに語っている。
同店は今年5月に保健局の立ち入り検査で不合格となり、一時閉店となった。 Eaterによると、2007年と2011年、2018年と合計4回保健局の検査に不合格となっている。
滞納についてオーナーの娘Margaret Mielesさんは、5月の閉店時に、1度遅延が生じたが、6月に支払い済みであるとABCニュースに語っている。また、当局とは6年間の支払い計画で合意しており、大きなコミュニケーションミスがあったとしている。
1965年創業の人気ピザ店
ディ・ファラは、1965年にイタリアからの移民、ドメニコ・デマルコ(Domenico DeMarco)さんが創業した。
ニューヨークのベストピザ店としての呼び声も高く、これまで人気シェフの故アンソニー・ボーデイン(Anthony Bourdain)や、レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)も同店のファンであることを公言している。
昨年5月、ウィリアムズバーグのフードホール「North 3rd Street Market」に2店舗目がオープンした。こちらは現在も営業を続けている。
GoFundMeでは、店の救済キャンペーン「Di Fara Bail Out」が開始された。
市長は支援を申し出
ニューヨークのビル・デブラシオ(Bill De Blasio)市長は、「ニューヨークいち人気のピザ店は救わねばならない。」と述べ、できる限りの支援を行うとツイートで発表した。
この発言に対し、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)州知事は市長への反論を述べている。
ニューヨークポストによると「彼には州税を免除する法的権限がない。彼がピザ屋に代わって20万ドルを支払うなら、それは結構だ。それは彼のビジネスになる。しかし免税はできない。」と述べた。さらに「私はそれが美味しくても、彼らのピザのために20万ドルは支払わない。」と加えた。