リモートワークの普及にともなって新たなライフスタイルとして注目を集めつつあるデジタルノマド。リモートで働く外国人を受け入れるビザを提供する国は、現在のところ50を超えるとも言われる。先月はカナダ政府が、デジタルノマドに雇用の道を開くプログラムを検討する計画を発表するなど、人材補充に活用しようとする動きもみられる。
そうした中、民泊サイトのFlatioが、デジタルノマドの実態を調査したところ、人気の国やコスト面などについて興味深い結果が示された。結果はデジタルノマドを自認する1,200人から得た回答を集計したものとしている。
ノマド生活をする人の国籍で最も多かったのは米国(37.4%)、次いで英国(12.3%)、ドイツ(5.6%)、オーストラリア(4%)、オーストリア(4%)と続いた。
仕事先の業界ではITとメディア・広告業界がともに19.3%で最も多かった。
雇用形態ではフリーランス(35%)を先頭に、フルタイム(31.5%)、起業家(13.6%)と続いた。
デジタルノマドをする年齢は30代が52.6%とダントツで、18歳~29歳が22.4%、40代は19.7%、50代は4.4%だった。60歳以上は0.9%となった。
滞在先を決める要因では費用が46.6%と半数近くに上った。続いて日光(15%)、安全(12%)、WiFiの質(9.4%)、医療の良さ(6.1%)だった。
最も人気の国はポルトガル(27.1%)だった。次いでタイ(12.2%)、3位スペイン(8.6%)、4位アルゼンチン(8.2%)、5位メキシコ(8.1%)となった。
年収は、41,000ユーロ~50,000ユーロ(約638万円~約779万円/1ユーロ=155.77円)が15.7%で最も多く、31,000ユーロ~40,000ユーロが14.5%、21,000ユーロ~30,000ユーロが12.5%だった。1万ユーロから2万ユーロも8.8%いた。
最もフラストレーションを感じる事項では、宿泊先を探すことが39.8%と最も多かった。友人探し(23.2%)、税金の問題(18.5%)にも困難を感じることが多いことがわかった。
宿泊先の探し方は、民泊サイトAirbnbが20.8%、2位がホテルの予約サイトBooking.comで17.4%、フェイスブックグループ(15.3%)が3位に入った。
一月あたりの宿泊費は、501ユーロ~700ユーロ(7.8万円~10.9万円)がトップで25.4%、301ユーロ~500ユーロ(19.7%)、701ユーロ~900ユーロ(18%)と続いた。
現地での滞在期間は4ヶ月以下が過半数を占めた。2~3週間の短期滞在は10.9%で、1年以上と答えたのは4.5%だった。
滞在資格についてデジタルノマド・ビザを取得していると答えたのは、46.9%で、いいえが44.2、申請中が8.5%だった。
FlatioのCEO、Radim Rezek氏は結果について、フルタイムのワーカーの増加が興味深いと指摘。「以前はフリーランサー、起業家、場所に依存しない労働者向けのものだった」とした上で、 「今では誰もができるようになり、生産性、健康、従業員全体の満足感にプラスの影響を与えることは間違いない」と述べている。