17日、5州で11月の中間選挙に向けた予備選が開催された。注目の集まったペンシルベニア州の共和党上院予備選では、トランプ氏が支持する心臓外科医でテレビパーソナリティーのメフメット・オズ氏と元大手ヘッジファンドの幹部、デイブ・マコーミック氏が接戦を展開。95%の開票が進んだ時点で、二人の差は1,300票を割っており、再集計になるとみられている。
ニューヨークタイムズによるとオズ氏が31.2%、マコーミック氏が31.1%、ダークホースとして期待されたキャシー・バーネット氏が24.7%の票を獲得している。
ワシントンポスト紙によると、ペンシルベニア州の規則では、二人の差が0.5%以内になった場合、自動的に再集計が行われる。その場合、最終結果は6月8日に州務局に提出されるという。
ペンシルベニア州の知事選の共和党候補には、トランプ氏のエンドースメントを得たダグ・マストリアーノ州上院議員が選ばれた。マストリアーノ議員は、トランプ氏が選挙に敗北したのは、大規模な不正によるものとする陰謀論を支持しており、1月6日に首都ワシントンで開かれたトランプ支持者の集会にも参加していた。参加者が議事堂に押し入る事件につながった行進に加わったことを認めているが、違法行為はしていないと説明している。1月6日の事件を調査する下院委員会から召喚も受けている。
一連の予備選は、トランプ氏の共和党への影響力をはかる試金石として、注目されている。
オズ氏の支持率は、トランプ氏が4月9日に支持を表明した時点で、マコーミック氏に6ポイント差をつけられていた。マストリアーノ議員は当初からトップを走っていたが、トランプ氏の支持がさらなる追い風となり、2位に24%の大差をつけて勝利した。
2024年大統領選の共和党の有力候補とみられているテッド・クルーズ上院議員(テキサス州)は、The Hillに「オハイオでは、トランプのエンドースメントが選挙を制したことに疑問の余地はない。劇的な影響がある」と、J.D.バンス氏が共和党の上院候補に選ばれた3日のオハイオ州予備選に言及。続けて「ペンシルベニアでは、トランプのエンドースメントがオズの支持率を大きく動かしたことは間違いない。トランプ大統領は、多くのすばらしい国民から深い敬意と称賛を受け続けている」と語った。
共和党の重鎮、ミット・ロムニー上院議員(ユタ州)は「彼(トランプ氏)は州の選挙で大きな影響があり、勝つ場合も負ける場合もあるだろうが、候補者らはエンドースメントを得られるならば、欲しがっている」と指摘。大統領選について「彼が共和党予備選に出馬することを決意したならば、2024年の候補者に選ばれることは間違いないと思う」と語った。
4月15日にトランプ氏がJ.D.バンス氏の支持を表明した際、支持率は3位だったが、選挙では2位を10%近く引き離し、32%の票を獲得して勝利した。
一方、ノースカロライナの予備選では、さまざまなスキャンダルが物議を醸した共和党の若手の現職、マディソン・コーソーン下院議員が敗退した。トランプ氏は有権者らに、コーソーン議員に2回目のチャンスを与えるよう訴えていた。
ネブラスカ州では先週、知事選の候補者を決める選挙で、トランプ前大統領が支持したチャールズ・ハーブスター氏が、現職のピート・リケッツ知事からエンドースメントを受けたジム・ピレン(Jim Pillen)氏に敗れた。