ロシアの製油所を襲ったドローンのモデルをめぐって、ソーシャルメディアでさまざまな憶測が飛び交っている。
ロイター通信は22日、ウクライナ国境から8km離れたノボシャフチンスクにある製油所が、無人航空機2台の攻撃を受け、稼働を停止したと伝えた。同社は声明で、ドローンは「西側国境」から飛行してきたものとしている。
ソーシャルメディアには、ドローンが製油所に突っ込んだ後、大きな爆発音とともに黒煙と炎が上がる動画が拡散されている。動画は最初にテレグラムに投稿されたものだと見られる。
消化活動の様子はロシアのテレビ番組で報じられ、当局はすでに鎮火したと発表しているという。ウクライナは現時点で、自軍による攻撃だと主張していない。
War Zoneは、ウクライナ軍は双胴機型の形状をしたドローンとして、トルコ製のバイラクタルTB2を使用しているが、動画の機体は、それよりも小さく、ボディと翼の間の曲線、胴体の形状が異なると分析。
Forbesは、キーウのUKRSPECSYSTEMS社が開発したPD-1またはその後継機PD-2に近いようだと伝えた。PD-1は、ロシアとの紛争が起きた2014年にクラウドファンディングによって開発が進められた軍用ドローンで、翼幅は3メートル、巡航速度55mph(88キロ)で5時間以上飛行することが可能だという。
一方、元デンマーク海軍の軍人だったというユーザーは、動画の機体は尾翼の形状が水平であるとして、PDシリーズではないと主張した。
このほかには、ウクライナが捕獲したロシア製ドローン「フォルポスト」説、さらにアリババで販売されている商用ドローンとの類似を指摘する声も寄せられた。
指摘があったのは「Super Huge Skyeye 5000mm Pro UAV」という機体で、現在日本円にして110万円程度で販売されている。全長3.5mで、翼幅は5m、巡航速度は時速120kmで、最大航続時間は7時間と記されている。
War Zoneはアリババ説も否定できないと主張。軍事ドローンに使用される技術はこれらの産業基盤の手の届く範囲にあるほか、精密誘導兵器を入手して使用するよりも安価で簡単だと指摘している。