アーンドメディア王:トランプ氏の圧勝支えた武器とは

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今年の大統領選で圧勝したトランプ氏は9日、資金不足が伝えらるハリス陣営に支援を申し出た。

「(ハリス氏は)業者どもから搾取されている。この大変な折に、我々はあらゆる支援を提供できる。党として、また絶対に必要とされる団結のために、それを強く勧める」と投稿。さらに「私たちには手残りがたくさんある。われわれの陣営の最大の強みは”アーンドメディア”だ。それほど費用がかからなかった。MAKE AMERICA GREAT AGAIN!」と自身の選挙戦を称賛した。

7月にバイデン氏大統領から候補者の座を引き継いだハリス氏は、約3カ月間で10億ドルを超える資金を調達。圧倒的な資金力を背景に、ビヨンセやレディー・ガガ、オプラ・ウィンフリーなどの一流セレブを総動員し、巨額の資金を投じた選挙キャンペーンを展開したが、敗北した上、2,000万ドルの負債を抱えていると報じられていた。

一方のトランプ陣営が募った金額は3億8800万ドル(10月16日時点)で、選挙資金に関してははるかに劣勢だった。

「アーンドメディア」の達人

Xで言及したアーンドメディアとは、旧来型のメディアや記事以外に、SNS、口コミ投稿、カスタマーレビューなど無料のニュースを指し、トランプ氏の強みとして2016年の大統領選から注目を浴びてきた。

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ニューヨークタイムズは少ない選挙資金で予備選を次々と勝ち抜いてきたトランプ氏に対し、「他の候補者、おそらくこれまで名乗り出たどの候補者よりも遥かに優れている」と評した

PR会社JConnellyのボブ・キーン氏も2017年のコラムで「アーンドメディア王」と称した。トランプ氏は、『アプレンティス』やTwitterが登場するずっと前から、自身のブランド構築に取り組んできた人物だということを忘れてはならないと指摘。アーンドメディアを最大限に活用するには、時間と絶え間ない努力が必要としながらも、トランプ氏の成功例が示す通り「その見返りは莫大」としている。

今回の選挙戦でもトランプ氏の一挙手一投足が注目を浴びた。ジョージア州で訴追された際の「歴史的マグショット」や、銃撃を受けた後に拳を振り上げる姿、大統領候補者討論会で物議を醸した「移民が猫を食べている」発言、マクドナルドでのバイト姿、大統領専用ゴミ収集車「ガベージ・フォース・ワン」のほか、人気No.1ポッドキャスター、ジョー・ローガン氏の番組に出演するなど選挙戦終盤までメディアを独占し続けた。

Mashup Reporter 編集部
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