昨年の市長選の当選直後、仮想通貨で給与を受け取ると宣言し、話題になったエリック・アダムス市長。市長室は20日、約束通り初任給をビットコインとイーサリアムに変換して受け取ると発表したが、受取日とされた21日以降、下落が続いている。
アダムス氏の市長としての年収は25万8,750ドル(約2,950万円)。21日には、2週間分の給与が支払われた。ニューヨークポスト紙は、源泉徴収後の金額で5,900ドル(約70万円)と伝えている。
21日から24日の間の下落幅は、ビットコインが15.9%、イーサリアムが24.3%。配分比率は明らかにされていないが、仮に50:50だった場合、市長は1,186ドル(約13.5万円)を失ったことになる。
ちなみにアダムス氏が仮想通貨での受け取りを発表した昨年11月、ビットコインは、6万ドルを超える過去最高値を記録していた。
米労働省の規定により、市職員に対する仮想通貨での支払いは禁じられている。市長は、暗号通貨取引所の「コインベース」を通じて、仮想通貨に換算するとしている。
アダムス氏は、初回3回分を仮想通貨で受け取ると発表していた。
仮想通貨のビリオネアから接待疑惑も
アダムス氏は昨年11月、プエルトリコで開催された会議に参加するため、ビットコインのビリオネアでアントレプレナー、ブロック・ピアース(Brock Pierce)氏のプライベートジェットで旅行したと報じられた。ピアース氏は元子役で、アダムス氏のドナーでもある。
ニューヨークポスト紙によると、アダムス氏は現地滞在中、記者らに対してプライベートジェットの件について明かさず、旅費を自分で負担したと話していた。同紙の取材に、市長の報道官は、アダムス氏は、プライベートジェットの旅行代を旅行会社を通じて支払ったと回答。ただし、領収書は受け取っていないと説明している。
プエルトリコは、本土よりも税務規定が「ゆるい」といい、現在、ピアース氏ら暗号資産のトレーダーや富裕層の移住先となっているという。Facebookの内部告発者であるフランシス・ハウゲン氏や、ユーチューバーのローガン・ポール氏も、昨年移住している。