米国で人気のアジア系調味料「シラチャーソース」の販売価格が急騰している。庶民の味方だったホットソースが高級品となり、飲食店のテーブルから盗まれる被害も発生しているという。
シラチャーは近年、商品不足が報じられていた。昨年6月には、製造元のフイ・フォン・フーズ(Huy Fong Foods)が、原材料の品質に「影響を及ぼす気象条件により、深刻な唐辛子不足に直面」したとして、注文の受付を一時停止したことが話題となった。
フイ・フォンはサンフランシスコのメディアSFGATEに対し、1年経った現在も「引き続き、供給量に限りがある状態」が続いていると回答。通常の生産体制の復帰については、目処が立っていないという。
盗難被害も
フィリピン料理のチェーン店「セニョール・シシグ」では、サンフランシスコにあるフェリービルディングなどの店舗で、卓上に置いたシラチャーのボトルが「行方不明」となる出来事が相次いだという。同店のマネージャーはSF GATEに、ボトルに書かれた電話番号に連絡が入り、直接購入できるか尋ねた客もいたと明かし、「クレイジーだ」と語っている。
掲示板サイトredditでも「シラチャーはどこで見つかる?」というスレッドが設けられ、購入可能な食料品店の情報交換が活発に行われている。あるユーザーが「コリアンプラザ」では、26ドル(約3,700円)だったと投稿すると、「少し前までは、20ドルだったのに」とショックを受ける人も。
SF GATEによると、一部の店舗では、かつて3.99ドル(約560円)で販売されていたこともあった。なおアマゾンでは現在、17 oz (482 g)入りのボトルが39.99ドル(約5,600円)で販売されている。
ほかには、「便乗値上げ」という非難や、「少しでも長持ちさせるため、使用量を控えよう」といったコメントも見られる。
トレーダー・ジョーズのプライベートブランドなど、代替版で済ます人もいるようだが、「それほど悪くないが、家族の評判は良くなかった」という意見が投稿されるなど、オリジナルには劣るようだ。シラチャーファンは、もし店頭で見かけたら迷わず入手しておこう。