ニューヨークが舞台のクリスマス映画といえば、1992年に公開された『ホーム・アローン2』(Home Alone 2: Lost in New York)を思い浮かべる人も多いでしょう。
『ホーム・アローン2』1992
監督:クリス・コロンバス 脚本:ジョン・ヒューズ
キャスト:マコーレー・カルキン、ジョー・ペシ、ダニエル・スターン、ジョン・ハード、ほか
配給:20世紀フォックス
公開:1992年
家族と別の飛行機に乗り込んでしまったケビン(マコーレー・カルキン)は、1人でニューヨークに到着してしまいます。刑務所を脱走した2人組の泥棒とばったり再会し、ドタバタ劇を繰り広げるコメディ映画。米国での公開から30年以上経った今でも、ホリデーシーズンのファミリー映画として親しまれています。クリスマスムードに溢れるマンハッタンの観光スポットが楽しめる『ホーム・アローン2』のロケ地をご紹介します。
ホームアローン2 映画ロケ地
クイーンズボロブリッジ
ケビンが到着したのは、クイーンズにあるラガーディア空港。イエローキャブに乗り「クイーンズボロ・ブリッジ」からマンハッタンへと向かいます。イーストリバー越しに見える摩天楼のスカイラインが、ボルテージを高めてくれます。ちなみに橋は、陸上部分のアプローチを入れると全長2,270メートル。自転車や徒歩でも渡ることができます。
マンハッタン側から見たクイーンズボロ・ブリッジ。ウディ・アレン監督の映画『マンハッタン』のワンシーンにも登場します。
Queensboro Bridge
61 Ed Koch Queensboro Bridge Path, New York, NY 10044
ラジオシティ・ミュージックホール
マンハッタンに到着したケビンは、さっそく市内観光。ミッドタウンの「ラジオシティ・ミュージックホール」前でポラロイド写真を撮影します。館内では毎冬、ラインダンスで有名なロケッツのショー「クリスマス・スペクタキュラー」が開催されます。ショーは、1933年から続くニューヨークを代表するホリデーイベントの一つ。楽しいクリスマスの音楽に合わせたダンサーたちの踊りは圧巻です。
Radio City Music Hall
1260 6th Ave, New York, NY 10020, United States
ツインタワー
ケビンは、チェルシー地区にある「エンパイア・ダイナー」を経由し、チャイナタウンで花火を購入。ロウアーマンハッタンまで南下し、バッテリーパークにある双眼鏡で「自由の女神」を見た後は、ワールドトレードセンターへ。
「ツインタワー」の高さに驚くケビン。映画では、開放的な展望台から一望するマンハッタンを見ることができます。2棟の高層ビルは、2001年9月11日に起きた米同時多発テロ事件によって倒壊しました。ツインタワーの跡地には、追悼施設「リフレクティング・プール」と「911メモリアル・ミュージアム」が建設されています。また毎年9月11日には、亡くなった3,000人を追悼するため、光のインスタレーション「追悼の光」が灯されます。
なお、1822年創業の魚市場「フルトン・フィッシュ・マーケット」(Fulton Fish Market)は撮影当時、ロウアーマンハッタンのサウスシーポートにありましたが、現在はブロンクスのハンツ・ポイントに移転しています。
One World Trade Center
285 Fulton St, New York, NY 10007, United States
プラザホテル
ケビンの滞在先は、セントラルパークに隣接する豪華五つ星ホテル「プラザホテル」。当時ホテルを所有していたドナルド・トランプ氏がカメオ出演し、ケビンにロビーの場所を案内します。
クリス・コロンバス監督はトランプ氏が出演したいきさつについて、ホテルにはロケ代を払っていたにも関わらず、トランプ氏が撮影は自分の出演が撮影の条件になると伝えてきたためと振り返っています。出演シーンはわずか10秒ほどでしたが、試写を見た人から好反応を得たため、カットせずに残したそう。
The Plaza Hotel
768 5th Ave, New York, NY 10019, United States
セントラルーパーク
ウォルマンリンク
セントラルパークのアイススケート場「ウォルマンリンク」で、悪巧みをめぐらせる2人の泥棒ハリー(ジョー・ペシ)とマーヴ(ダニエル・スターン)。マフィア映画などシリアスな演技で知られていたペシは、『ホーム・アローン』シリーズで体当たりの演技に挑戦。続編では、120ストリートにある親戚のタウンハウスで「Ho Ho Ho作戦」を計画。クリスマスイブの夜に、おもちゃ家さんで強盗を計画していた泥棒たちを家に誘い出し、撃退します。ペシは、帽子に火がつくシーンを自ら演じ「頭のてっぺんに重度のやけどを負った」と語っています。
ちなみにウォルマンリンクは、当時39歳だったトランプ氏が再開発を手がけ成功させた事業の一つとして知られています。
Wollman Rink
830 5th Ave, New York, NY 10065, United States
ポンド&ギャップストウ・ブリッジ
作品には、謎めいたハトおばさん(ブレンダ・フリッカー)と出会ったセントラルーパークの「ポンド」や、72ストリート付近にある「ベセスダテラス」も登場します。
ベセスダテラス
カーネギーホール
セントラルパークで鳩おばさんに助けられたケビンは、彼女が住むカーネギーホールの屋根裏部屋へ。大都会で生活するホームレスや大兄弟の末っ子として、疎外感を感じていた2人は意気投合。ケビンはホームレスになったいきさつを語る鳩おばさんに、大事にしまっている間に成長して履けなくなったローラーブレードを例に「あなたの心を使って」と励まします。
1891年にオープンしたカーネギーホールは、国定歴史建造物に指定されています。実在する黒人のクラッシックピアニスト、ドン・シャーリーと、イタリア系アメリカ人のドライバーの友情を描いたロードムービー『グリーンブック』(2018)のロケ地としても使用されています。
Carnegie Hall
881 7th Ave, New York, NY 10019, United States
ロックフェラーセンター
大都会で迷子になったケビンを探すため、マカリスター家もフロリダからニューヨークに移動。キャサリン・オハラ演じる母親のケイトは、タイムズスクエアまで自ら足を運びます。2人が再会するのは、ロックフェラーセンターの巨大なクリスマスツリーの前。家族に会いたいと願うケビンは、母親と感動の再会を果たします。
ちなみに、ロックフェラーセンターのツリーが初めて点灯したのは1931年。大恐慌の最中、建設現場の労働者が資金を出し合って、6メートルほどの木を購入し、クリスマスを祝ったのが最初と言われる。今では、世界一有名なクリスマスツリーを一目見ようと、世界中から観光客が訪れます。
Rockefeller Center
45 Rockefeller Plaza, New York, NY 10111, United States
ルーカリービル(シカゴ)
ケビンが買い物に立ち寄り、ナイフや地図を購入したおもちゃ屋さん「Duncan’s Toy Chest」は、シカゴのフィナンシャルディストリクトにある歴史建造物ルーカリービル(Rookery building)で撮影されました。ケビンは、クリスマスの売り上げを小児病院に寄付すると語るオーナーに感銘を受け、20ドルを店に寄付します。オーナーのダンカンさんは、友情を表す鳩のつがいのオーナメントをプレゼントします。
Rookery building
209 S La Salle St, Chicago, IL 60604, United States
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