エンパイアビルやクライスラービルと共にニューヨークを代表する建物「フラットアイアンビルディング」が、高級コンドミニアムに生まれ変わることがわかった。
22階建のビルは、ダニエル・H・バーナムが設計し、121年前に建設された。ニューヨーク市は1966年、市の歴史建造物に指定。5番街にある三角型のビルはこのエリアの目印となり、「フラットアイアン地区」と呼ばれている。
上から見ると
マクミラン出版社が60年以上、21フロアをオフィスとして利用していたが、2019年に退去した後、空室となっていた。
今年3月、投資家ジェフリー・ガーリック氏らが1億9000万ドルで所有権を落札したが、頭金を支払わなかったため、5月に再びオークションが開催された。この際、ビルの前の所有者の1人ジェフ・グラル氏とそのパートナー企業が1億6,100万ドルで落札した。
改装は住宅開発業者ブロツキー・オーガニゼーションが手がける。ニューヨークタイムズによると、市が計画を許可してから、完成まで約3年かかる予定だという。
ニューヨーク市では住宅が不足していることから、オフィスビルを住宅として利用するための取り組みを推進している。
ニューヨークマガジンは、フラットアイアンビルは現代型のオフィスとしては「使いにくい」が、「素晴らしい公園や美味しい食べ物、活気のある街並み」に囲まれており、「住むのには好ましい」とコンドへの改装を評した。
ビルの向かいにはマディソンスクエアパークや「イータリー」があり、ユニオンスクエアやヘラルドスクエアにも歩いて出かけることができる。
アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏も2021年、フラットアイアン地区の高級コンドミニアムを2,300万ドルで購入している。
改装後の戸数などは、まだ決定していないが、グラル氏はタイムズに「フラットアイアンビルに住みたい人は、40人くらいいるだろう」と語っている。