米海軍の強襲揚陸艦「バターン」が公開ツアー!そのまま「トップガン」を観に行きたくなった

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3年ぶりの現地開催となった「フリートウィーク」のイベントの一環で、マンハッタンの港に艦船が寄港しているとのことで、早速出かけてみた。

フリートウィークはメモリアルデーに合わせて開催される伝統的なイベントで、艦船の公開ツアーや海軍、海兵隊、沿岸警備隊の交流行事などが行われる。

今回訪れたのはここ。ハドソン側沿いにあるPier88という波止場で、隣にはイントレピッド海上航空宇宙博物館がある。タイムズスクエア駅からバス(M42 West Bus)でハドソン川まで行って、北に数ブロック歩くのも良いし、天気が良ければ、歩いたってさほどかからない。

タイムズスクエアから歩くこと20分、見えてきたのは驚くほどデカい船。下方に停車しているパトカーと比べると、その大きさがわかるはず。ミリタリーとは無縁の私でも、テンションが上がる。こちらを向いているのが艦首だろうか、甲板にはヘリコプターが数台見える。

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入り口で身分証を見せた後、金属検査を受ける。現役の軍艦に入ろうとする割には、あっさりした警備体制だと思った。

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列の最後尾に。この先待つことになりそうなので、いただいたパンフレットなどを読んで過ごすことに。

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これから見学するのは「バターン(Bataan)LHD5」という名の艦船で、分類的には「ワスプ級強襲揚陸艦」と呼ばれるのだという。パンフには海軍や海兵隊を海上の戦闘から陸地戦へのシームレスな移行を可能にするもので・・・などと説明されている。要はヘリコプターやホバークラフトを備え、兵士や物資を素早く陸揚げするのに優れた船ということのようだ。

第二次世界大戦中の「バターンの戦い」で日本軍と戦った兵士らを称え、この名がつけられたとのこと。1942年にバターン半島で米軍が降伏した際、およそ7万5,000人のフィリピンと米軍の兵士らが収容所まで65マイル(105Km)の道のりを徒歩で行進させられた。この途中で2万1,000人が命を落とし、後に「バターン死の行進」と呼ばれることになったといった内容も紹介されている。

乗員はおよそ2,500名というから、大きさにも納得が行く。士官74名、下士官898名、海兵隊1,500名が乗り込むのだという。

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こんなところにCBP(税関・国境取締局)のオフィスがあったのかなどと思ってるうちに、順番がやってきた。20人ほどがグループにされ、案内が始まった。写真は良いが、ビデオ撮影はNG。注意事項を聞いて、いざ船内へ。

もくもくとスチームを上げる船体。それにしても巨大だ。

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まずは巨大な格納庫のようなスペースに通され、それから看板に案内された。大統領が船員をねぎらうためにスピーチをしそうな場所だ↓

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広い甲板にはヘリが5台ほど。まず目に飛び込んできたのは、日本でもたびたびニュースに取り上げられる「オスプレイ」。配線むきだしの機内も見学させてくれた。

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メモリアルデー オスプレー
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ボタンだらけのコックピット。飾り気ひとつない超ヘビーデューティー仕様。

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対空ミサイルや砲台などを備えた艦橋。映画で見るような出立ちだ。

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次は「AH-1Wスーパーコブラ」と呼ばれるヘリコプター。案内係が手際よくグループを誘導していく。機体はベトナム戦争で活躍した「AH-1コブラ」の発展機だといい、これはお隣のイントレピッド博物館にも展示されているのだという。アビエーターサングラスがきらりと光るキャプテンが丁寧に説明してくれ、コックピットにも乗せてもらえる。

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お次は「UH-LYヒューイ」という機体。15人乗りで、機上の指揮所として使用することなどを念頭に設計されたものだという。

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このほかにも「SH-60S シーホーク」、兵士55人を運べるという「CH-53スーパースタリオン」といった、それぞれに働きの異なるヘリコプターが紹介された。それにしても各機体のキャプテンや乗組員はみな若者ばかりだ。行き交う船員には少年のようなあどけなさが残る者さえいる。

「SH-60S シーホーク」

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「CH-53スーパースタリオン」側面にある巨大ミサイルのようなものは燃料タンクだという。

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映画の一幕のようではないか

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ヘリコプターめぐりをした後は、船内に戻って装甲車のならぶフロアへ。

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「LAV‐25」とよばれる水陸両用の戦闘車。副武装として使用するM240マシンガンという機関銃の組み立ての実演も行われた。後で持たせてもらったのだが、この機関銃が驚くほど重いのだ。

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なんだかんだいって、みんなが一番アツくなっていたのはこのコーナー。ロケットランチャーやライフルが並んでいて、実際に肩に担いだり、構えたりできる。実戦で使用される銃を手にできるまたとない機会。ミリオタ風の青年だけでなく、大人から子供まで、とにかく楽しそうなのである。

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ツアーはこれで終了。ほんの一部だが、現役の兵士たちの職場を垣間見れたのは貴重な経験だった。体験もさることながら、船内には歓迎ムードがあり、隊員の皆さんがフレンドリーで、質問に丁寧に応じてくれるなど、熱心さが伝わるイベントだった。しかも無料。奇しくも27日からトム・クルーズの大作映画『トップガン マーヴェリック』の公開がスタートしたばかり。海軍の全面協力のもとに製作された同作は、現役の艦隊総軍司令官が「感銘」を受けたというほど、リアリティが追求されているとのことだ。勝手に親近感を抱いたところで、週末は映画館まで足を運んでみようと思う。

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MANABE WATARU
日本の大学卒業後、営業マン、事務派遣社員などを経て米国に移住。座右の銘は「胸を張って負け犬になれない者は、勝者にもなれない」。誰が言ったんだっけ?(笑)