トランプ氏暗殺未遂事件 シークレットサービスの「重大な無能」に原因、元ネイビーシールズ

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13日のトランプ前大統領の選挙集会で起きた暗殺未遂事件をめぐって、シークレットサービスの対策に疑問の声が上がっている。

元海軍特殊部隊の将校で民間軍事会社ブラックウォーターの創業者、エリック・プリンス氏は、Xの投稿で、トランプ氏が致命傷を免れたのは風のおかげでしかないと主張。「風速5マイルが、未確認だがおそらく55グレイン弾をドナルド・トランプの額から耳まで5センチ逸らすのに十分だった。ドナルド・トランプはシークレットサービスの優れた能力によって守られたのではない」と述べた。

プリンス氏は3つの問題を指摘。「シークレットサービスが、前もって計画されたイベントでライフルにおいて武装した銃撃犯に150ヤード以内への侵入を許したのは、悪意か重大な無能によるものだ。銃撃犯が射撃位置に移動し、複数発砲をするのに十分な未管理のデッドスペースがあったことは確か」としたほか、「シークレットサービスが銃撃犯人を目視したのは確かであり、明らかに”先制射撃”の方針を採用していない」と述べた。

さらに、発砲後にトランプ氏を壇上から取り除く対応が「不器用」で、「その後の攻撃から非常に無防備な状態にさらした」とし、こうした一連の対応は「自律的」に行われるべきであることから、「合同訓練を一度もしたことがないように見える」と指摘した。

事件が起きたのは13日午後6時15分。ペンシルベニア州バトラーの会場で、トランプ氏のスピーチ開始から約5分後に銃声が鳴り響いた。トランプ氏は耳を押さえてうずくまった後、壇上に駆け上がった護衛らに支えられてガッツポーズをしながらステージを去った。後に右耳に銃弾を受けたと明らかにした。

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シークレットサービスの発表によると、犯人を直ちに「無力化」することに成功したが、銃撃により観客一人が死亡、二人が重傷を負った。FBIは翌日、会場から車で約1時間の距離に住むトーマス・マシュー・クルックス(20)を容疑者に特定した。クルックス容疑者は、射殺されるまでに銃弾を8発放ったとみられている。

AP通信によると、会場にはシークレットサービスのコードネーム「ホークアイ」こと反撃チームと、「ヘラクレス」と呼ばれる対スナイパーチームがスタンバイしていた。ホークアイは重武装し、他のエージェントが保護対象の人物を防御して移動させることができるよう脅威を取り除く役目を担う。ヘラクレスは遠距離双眼鏡を使い、遠距離の脅威に対応するためにスナイパーライフルを装備する。

容疑者とトランプ氏の距離は150メートル以内だった。米陸軍では、新兵がM16アサルトライフルを使用するために実施される基礎訓練レベルの距離に相当するという。容疑者が使用したARスタイルのライフルは、軍用M16の半自動民間バージョンにあたるとされる。

1981年のレーガン大統領暗殺未遂事件で、銃弾を受けた元シークレットサービスのティム・マッカーシー氏は「失敗」と語った。

シカゴのテレビ局の取材に応じたマッカーシー氏は、現職の大統領の場合、周辺のビルを安全にし、大統領のポジションとの間にさまざまな物を使用してすべての視界を遮り、時にはステージを移動することもあると説明。前大統領に同レベルの対策が施されていたかは不明とした上で、「失敗だ。単純明快だ。保護対象者が撃たれた場合、何らかの問題がある。何かを変えなければならない」と語った。

一方、「この世に完全な防護はない」とも指摘。あらゆる予防策を講じても犯人は新たな脅威を見つけ出すと述べ、動機の解明を含むインテリジェンスサイドに役立つ捜査が必要だと語った。

また、シークレットサービスは最善の保護を提供するが前大統領の行動を強制することはできないと述べつつ、来週ミルウォーキーで開催される共和党全国大会では、トランプ氏が公衆の面前に出る機会は減るだろうと見方を示した。

共和党の指導者らは、シークレットサービスの対応を議会調査にかける計画を示している。

マイク・ジョンソン下院議長は、テレビ番組のインタビューに、「昨日の悲劇について議会は完全な調査を行い、セキュリティに欠陥がなかったかを判断する」と語り、下院監視委員会のジェームズ・コーマー委員長は、シークレットサービスのキンバリー・チートル長官に書簡を宛て、7月22日の公聴会で証言するよう求めた。

Mashup Reporter 編集部
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