2020年大統領選後にトランプ弁護団を率いたルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長が、2021年1月6日の議事堂襲撃事件へと発展したトランプ氏の「Save America」集会の最中にわいせつ行為をした疑惑が浮上した。
被害にあったとしたのはトランプ氏の最後の首席補佐官マーク・メドウズ氏の側近だったカシディー・ハチンソン氏。今月26日に発売される回顧録「ENOUGH」の中で「獲物に迫る狼」のようなジュリアーニ氏から体をまさぐられたと告発した。
発売前にコピーを入手した英紙ガーディアンによると、トランプ氏の演説の舞台裏で、ジュリアーニ氏から「ブレザーの下、そしてスカート」に手を入れられたという。「彼の凍った指が太ももをたどるのを感じた」「彼は顎をあげていて、白目は黄疸が出ているようだった。ジョン・イーストマンに目線を向けたが、不敵な笑みを浮かべていた」と綴り、「こわばる筋肉に抗い、ルディの握る手にたじろいだ。怒りに満ちてテントを駆け抜け、マークを探しに回った」と一連の出来事に言及しているという。
集会ではジュリアーニ氏も舞台に立ち、トランプ支持者らに向かってまもなく投票不正が明らかになると主張し、「われわれが正しければ、多くのやつらが刑務所行きだ。決闘裁判をしようじゃないか」と威勢よく呼びかけていた。
この後、集会に参加していたトランプ支持者らの一部が大統領選の結果の承認手続きをしていた議会議事堂に乱入した。
議事堂襲撃事件から約2年半、ジュリアーニ氏はトランプ氏とイーストマン氏、メドウズ氏らとともに刑務所行きの危機に直面している。
ジョージア州フルトン郡の大陪審は先月14日、選挙結果を覆す取り組みに関してトランプ氏とその他18人を起訴した。ジュリアーニ氏にはRICO法違反を含む13の罪状がかけられた。24日に出頭し、今月1日に提出した法廷文書で無罪を主張した。
根拠なく投票不正説を触れ回ったことで数々の名誉毀損訴訟を抱えており、極度の資金難に陥っているとも伝えられている。7月にはマンハッタンのアッパーイーストの自宅を650万ドルで売りに出し、今月7日にはトランプ氏の助けを借りて「アメリカの市長、ジュリアーニ氏を応援する一晩」と題し、参加費1人あたり10万ドル(約1,470万円)の資金調達のための夕食会を開催した。
性的行為をめぐっては元従業員の女性からも訴えられている。2019年から約2年間にわたって働いた女性は、今年5月、性的関係を強要されるなどしたとして、ニューヨーク州地方裁判所に損害賠償を求める訴えを起こした。
女性は訴状で、ジュリアーニ氏はバイアグラを常用し、朝晩関係なく酩酊していたと説明。パンデミック中、ビデオ会議の場で裸になるよう求めたり、同意のない性交を繰り返し迫られたりしたとしている。