首都ワシントンDCで27日、マクドナルドのソースを巡って口論となり、16歳の少女が友人に刃物で刺され死亡する事件があった。
メトロポリタン警察の発表によると、事件が起きたのは午前2時ごろ、14ストリートとU ストリート・ノースウェストにある店舗の前。
刺されたのは、メリーランド州ワードルフ在住のナイマ・リゴンさん。搬送先の病院で死亡した。
ワシントンポスト紙によると、リゴンさんを含む4人の少女は商品を注文し、店の外に停車していた車まで持ち帰った。ナゲットに添えられていた「スイート&サワーソース」を巡る口論が起きた。
捜査関係者は裁判で、監視カメラの映像をもとに、当初リゴンさんともう1人の少女は、16歳の少女を叩き始めたと説明。少女は最初、反撃しなかったが、2人が車に乗り込もうとする瞬間、長さ19センチのポケットナイフで「突進し」、リゴンさんの胸部と腹部を刺したという。
リゴンさんは、トーマス・ストーン高校の生徒で、事件発生の翌日は、新学期初日の登校日だった。校長は「心が張り裂けそうな悲劇」が起きたと保護者に語ったという。
警察は27日、16歳の少女を第2級殺人の容疑で逮捕した。拘束された際、犯行に使った刃物を所持していたという。
少女は裁判で、リゴンさんともう1人の少女に地面につきとばされたため、正当防衛だとして無罪を主張した。
首都の犯罪が急増
ワシントンDCで起きた殺人事件は、前年同時期に比べ26%増。暴力事件も38%増加している。
ポスト紙によると、今年18歳以下の若者が殺害されたのは、リゴンさんで13人目となる。この事件の22時間前にも、4ブロック先で18歳の少年が射殺されたほか、その前日にも18歳の少年が殺害されている。
当局は若者による犯罪件数を削減するため、9月1日から17歳以下の夜間外出禁止を命じる予定だとしている。なお殺人事件が起きたUストリート付近は、取り締まりの強化対象区域となっていた。