「グッドフェローズ」や「ロー&オーダー」の出演で知られる俳優ポール・ソルヴィノ(Paul Sorvino)さんが25日朝、死去した。83歳だった。老衰と伝えられている。
ニューヨークポスト紙によると、ソルヴィノさんはインディアナ州で、妻のディ・ディ・ベンキーさんが見守る中、息を引き取ったという。
ディさんは声明で「私たちは打ちひしがれている。ポール・ソルヴィノという人物はもう二度と現れない。生涯の恋人であり、スクリーンとステージを飾ったこれまで最高のパフォーマーの1人だった」と夫の死を惜しんだ。
最初の妻との間に生まれた女優のミラ・ソルヴィノさんも、自身のツイッターアカウントを更新し「心が張り裂けそうだ。彼との愛や喜び、英知に満ちた人生は終わってしまった。最高に素晴らしい父で、本当に愛していた。天国へ行く父に愛を捧げる」とメッセージを投稿した。
2017年、ミラさんが映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインからセクハラを受けたことを告白した際、ソルヴィノさんは「彼は刑務所で死ぬ。さもなけば、私が会って殺す」と強い憤りを語っていた。
ウディ・アレン監督の「誘惑のアフロディーテ」(1995)でミラさんが助演女優賞を受賞した際、受賞スピーチで父に感謝を述べるミラさんの姿に、ソルヴィノさんが感極まる姿がSNSで再びシェアされている。
1939年にブルックリンで生まれたソルヴィノさんは元々、歌手を目指しており、8歳からボイスレッスンを受け始めた。1964年にミュージカル「Bajour」でブロードウェイデビューを果たし、1970年に映画「Where’s Poppa」で映画界でのキャリアをスタートした。
1990年のマーティン・スコセッシ監督のマフィア映画「グッドフェローズ」で冷血なマフィアのボス、ポール・シセロ役を好演した。同役のイメージは、のちのキャリア形成にも大きな影響を与えたようだ。以前、ハリウッドレポーターに対し「私のことを実際にギャングやマフィアだと思い込んでいる人は多い」「その役柄が印象的だったことにい対し、通らねばならない道だと思っている」と語っていた。ニューヨークタイムズは、訃報を掲載した記事で「温厚なギャングのマスター」と称した。
NBCの犯罪ドラマ「ロー&オーダー」では、シーズン2と3で、ニューヨーク市警察のフィル・セレッタ役を演じた。オリバー・ストーン監督の「ニクソン」や、バズ・ラーマン監督の「ロミオ+ジュリエット」など100作品以上に出演してきた。
俳優として活躍する傍ら、歌手としても活動し、2006年にはフランク・レッサーの「The Most Happy Fella」でシティ・オペラにデビューを果たした。
最後に出演した映画は2019年公開のコメディ「Welcometo Acapulco」で、テレビ作品としては、2019年からスタートしたEpixの「ゴッドファーザー・オブ・ハーレム」でマフィアのボス、フランク・コステロ役を演じていた。