米食品大手ゴヤ・フーズ(Goya Foods)は、売上増に貢献したとして、同社製品のボイコットを呼びかけたアレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員を月間優秀社員に選出した。
ロバート・ウナヌエ(Robert Unanue)最高経営責任者(CEO)が7日のラジオ番組Michael Berry Showで明らかにした。
ウナヌエ氏は「オカシオ・コルテス議員が不買運動を呼びかけてから、売上が1000%増加した。ゴヤとわが社のアドボ(調味料)の注目を集めるのに貢献したため、彼女にこの栄誉を授けた」と語った。不買運動は、顧客基盤を維持し、新たな顧客層を獲得できたと述べた。
不買運動の発端は?
トランプ大統領は7月、ヒスパニック系のビジネスリーダーを招いて会合を行い、ヒスパニックのコミュニティの教育や経済機会の改善を目的とした大統領令に署名した。イベントに招かれたウナヌエ氏は、スピーチで「われわれはトランプ大統領のような指導者を持つことができ、大変恵まれている」と称賛した。
ゴヤフーズは、移民のプレディシオ・ウナニエ氏が1936年に創業した老舗企業。ロバート氏は3代目となる。ヒスパニックが経営する最大規模の食品メーカーをうたい文句に、豆類や調味料など家庭料理の定番食材を提供している。
一方トランプ氏は、メキシコからの移民を「レイピスト」と呼んだり、国境の壁の建設や、不法移民の子供たちの救済制度「DACA」の廃止など、強硬な移民政策を打ち出してきた。
そのトランプ氏を称賛したとして、反トランプ派が反発。SNS上では不買運動を呼びかける「#Goyaway」「#BoycottGoya」がトレンド入りした。
1070万人以上のフォロワーを持つオカシオ・コルテス議員も「アボドは自分で作れる」とSNSでレシピを拡散し、ゴヤの不買を呼びかけた。
不買運動に対し、トランプ氏や娘のイバンカ氏は反発。ゴヤ製品を机に並べてポーズを取る写真をSNSに投稿。同社への支持を表明し話題となった。
ウナヌエ氏は、オカシオ・コルテス氏の不買運動は「自国民に反するものだ」と述べた。またグリーン・ニューディール政策についても「考えが甘い」と非難した。
またウナヌエ氏は先週、Foxニュースの番組Mornings with Mariaでも、政治家が「コロナウイルスを武器に取り、自分たちの国民に向けた」と述べた。「多くの人々は、仕事がない状態だ。–彼らのコロナ規制は、労働者階級に対する差別だ」と非難した。SNSに関して「われわれは制御されている。彼らに合わないアジェンダやストーリーは許可されない。勇気を失い、表現の自由を失った」と語った。