20日にホワイトハウスに返り咲いたトランプ氏は、政府機関にメキシコ湾の名称をアメリカ湾に変更する大統領令に署名した。
発表によると、内務長官は署名から30日以内に名称変更に必要なすべての措置を講じ、それに続いて政府の地名情報システムを更新して、メキシコ湾に関する記述をすべて削除しなくてはならない。
米メディアによると、地名変更は内務長官が管轄する米国地名委員会の役割で、同機関は米国内の地理的な場所を変更する権限を有している。公式ウェブサイトによると、名称変更には説得力の高い理由が必要で、歴史的使用法をただ単に修正または再構築するために変更することが主たる理由であってはならない。地元で使用され受け入れられていることが最も重要なポリシーであり、名称変更の提案については、利害関係者すべてのコメントを求めた上で、決定する旨を記している。
トランプ氏は今月マール・ア・ラーゴで開いた会見で、アメリカ湾には「たくさんの領土をカバーする美しい響き」があると述べ、「なんて美しい名前だ。それに相応しい。メキシコは何百万人もの人々が我が国に流入するのを止めなければならない」と語っていた。
22日時点では地名情報システムはメキシコ湾のままとなっているが、すでに公に使用されるケースも発生している。
フロリダ州のデサンティス知事(共和党)は20日、ウィンターストームによる降雪に備えて発した緊急事態宣言の中で、「アメリカ湾を横切る低気圧が北極の大気と作用し、1月21日火曜日から北フロリダの広範囲にわたって影響を及ぼす冬の天候をもたらす」と述べた。
メキシコ湾の名称は16世紀に遡るとされる。米国による改名は米国内でのみ適用され、他の国は変更を採用する義務はない。メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は21日、「われわれにとって依然としてメキシコ湾であり、世界全体にとっても依然としてメキシコ湾だ」と記者団に語った。
デジタルマップは?
SNSの一部のユーザーからは「今日は、Google Mapsが世界地図上でアメリカ湾を認めなかった1日目だ」、「Google Mapsは時代に遅れている」など、月間20億人が使用するとされるGoogle Mapsに改名を求める声も上がっている。
ダン・クレンショー議員(共和党 テキサス)は、Xのアカウントを更新し、Appleのティム・クックCEOに対して「Apple マップではまだメキシコ湾と呼ばれていることに気がついた」と投稿。「アプリからレポートを送信したが、知っておいてほしいと思って」と明かした。
Google、Appleが名称変更に取り組むか明らかではない。当サイトではGoogleにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。ちなみに20日の就任式当日、サンダー・ピチャイ氏とクック氏ともにセント・ジョーンズ教会に列席した後、就任式と昼食会に出席するなどトランプ氏と多くの時間を過ごしている。