マンハッタンから車で40分ほど、ニュージャージ州ハッケンサックで、トイストア「ガンダムプラネット」を経営する孫 寧浚(ソン・ヨンジュン)さんにアメリカで起業するきっかけについて話を伺った。
名前からお察しの通り、主力商品は「ガンプラ」。Eコマースが普及し始めた頃にマンハッタンの小さな倉庫でオンラインだけではじめた事業は、床面積1万スクエアフィートの2階建ての自社ビルを構えるまでに成長した。
──アメリカに行こうと思ったきっかけは?
韓国の大学でコンピューターサイエンスを学んだ後、日本でシステム・エンジニアの職につきましたが、3年ほどして少しずつ慣れてきた頃、変化がほしいと考えるようになりました。そんな時、スパイダーマンを観て、スクリーンに映る光景がかっこいいと思ったのがきっかけです。プログラミング言語ができれば、どこにいても基本的な生活はできるだろうと。ただし、起業をするとかではなくて、アメリカで生活しながら英語を学びたいという単純な考えでした。
まずは2週間の休暇をとって、車で西海岸から東海岸を運転して回りました。そうしたらすごい国だと。大きくて、砂漠があったり、外国人がたくさん住んでいたり、ニューヨークは映画のままでした。ここだったら、何かできそうだと思いました。
──その後、正式に渡米したということですね。どのビザを取得したんですか?
現地のウェブエージェンシーのインターンに応募し、J1ビザを取得しました。
──どんなお仕事を?
ニューヨークの会社は、日本の職場と違って、開発からお客さんとの折衝まで、なんでもやりなさいというところでした。その頃、Eコマースが流行り始めていて、Amazonも本屋から何でも屋さんに変わろうとしている時でした。インターンでしたが、ちょうど米国に進出した日系の大手起業に積極的にアプローチしたら、作ろうということになって。ECサイトを制作して、成功したらビザを支援してもらおうということになりました。