アメリカにガンプラの楽しさ広める:「ガンダムプラネット」孫 寧浚さん(1)

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高品質 x ニッチ = ガンプラ

──ガンダムプラネットを立ち上げようと思ったきっかけは?

ある時、自分でもEコマースをやってみたいと思ったんですね。じゃあ、何があるんだって考えていたところ、子供の頃、おもちゃのロボットを組み立てるのが大好きだったのを思い出しました。そういえば、アメリカには自分で作るモデルキットのようなものはないなって。トイザらスは完成品は売ってますが、自分で作るというのがなかったんですね。

その時、一つだけ条件があって、品質が良いものにしようと決めてました。システム・エンジニアも同様ですが、品質が悪いと後から稼いだお金を全部使うことになってしまうんですよね。それで、自分の思い出の中で、一番品質がよかったものっていうと、ガンプラだったんです。組み立てられないとか、品質が悪いと思ったことがなかったんです。良質でありながら、アメリカにないということから、いけると思いました。

──未経験から小売を始めるのって大変じゃないですか?

まず最初に今のプロトタイプになったウェブサイトを作りました。当時はデザインにこだわっているECサイトってあまりなかったんですね。それからバンダイさんに自分で電話をしたんです。アメリカでエンジニアをしていて、すでにECサイトを作ってしまったとお話しをして。物だけあれば売れると説明したら、少し送ってあげるからと。あとはカリフォルニアの問屋と一緒にやってみなさいって言っていただいて、それがスタートでした。

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──直談判ですか、すごいですね。

若くて、今思うとずいぶん積極的だったと思います(笑)。最初の職場でなんでもできるように鍛えてもらって、今の自分がいるんじゃないかと思います。

──スタートは順調でしたか?

最初はマンハッタンで、ウェブサイトを制作したお客さんが貸してくれた300スクエアフィートほどの倉庫で、一人でやっていました。売れたら自分で梱包して、UPS(米国の宅配業者)の店頭に持っていくっていうスタイルでした。

当時はECが定着する前で、注文から1ヶ月や2ヶ月待ってもらうことも許された時代でした。在庫も少なかったので、注文を受けてから調達して送るという方法を一年くらい続けましたかね。ある程度の規模になってから、今のように在庫を持って売る様になりました。

商品が堆く積まれた現在の倉庫

次回はリアル店舗への進出、今後の展望について伺う。

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Osamu F. MahupReporter.com
福崎 治 / Mahup Reporter 運営・編集責任者。ご意見、ご要望はメールにてinfo@mashupreporter.com