25日、行政の政策リサーチを行う米国政策財団(National Foundation for American Policy)は、2017年会計年度の第4四半期において、H-1Bビザ申請に対する追加書類提出の要求が増え、なおかつ却下される割合が著しく増加しているとする調査結果を発表した。
調査は、財団が米国移民局(USCIS)より入手したデータをもとに実施。2017年第4四半期のH-1Bビザが却下される割合は、第3四半期の15.9%から22.4%へと増え、増加率は41%となった。また、第4四半期における追加書類(Requests for evidence、REF)が求められた数は、第1四半期から第3期四半期の合計とほぼ同数であったことがわかった。
トランプ大統領は2017年4月に通称「Buy American, Hire American」と呼ばれる、政府調達と外国人労働者に発給されるビザプログラムに関して、調査や改革を求める大統領令に著名。演説では、ビザは高い技術と高い給与が必要となる申請者に発行されるべきで、アメリカ人の雇用を奪うために使用されるべきでないと述べた。同財団は、第4四半期(7月からスタート)のビザ発給プロセスから、大統領令の影響が顕著となったと主張する。
なお、追加書類の要求(REF)は、オバマ政権下の2017年度第一四半期に、17%だったものが、第4四半期には69%へと飛躍的に増加している。中でもインド国籍の出願者に対しては、より厳しい審査が適用されており、72%の出願者が追加書類の提出を求められている。
ITサービス業界の団体であるTechServe Allianceのマーク・ロバーツ(Mark Roberts)最高経営責任者はAxiosの取材に対し、「ITやエンジニア部門においては、ほぼ100%の割合で追加書類の提出が求められ、以前はほぼ皆無であった分野における却下率が上昇している」と語り、「増加は明らかに”Buy American Hire American”によるもので、合法的な移民を制限しようとする政権の欲求の表れである」と、非難している。