同性愛者がキスをするCMの放送を中止した米有料テレビ放送、ホールーマークチャンネル (The Hallmark Channel)に対し、LGBTQや擁護団体から非難の声が上がった。
放送中止となったのは、オンライン上で結婚式のプランニングを行う「ゾラ」(Zola)社のCMで、12月2日に放送された。
CMはレズビアンの結婚式を含めて6パターンあり、結婚を誓う2人が、Zolaを利用することで、順調に結婚の日を迎えたことを祝福する内容。今回レズビアンカップルが登場する4パターンのみが放送中止となった。
その理由に関して、親会社ホールーマークの広報担当者は「女性のPDA(公共の場でいちゃつく行為)は、チャンネルのポリシー違反にあたる。」とし、「議論を引き起こすと判断された広告は、承認されない。」とニューヨークタイムズに語った。
今週初め、保守系団体の「アメリカン・ファミリー・アソシエーション」(AFA)の一部門「ワン・ミルオン・マムズ」(One Million Moms)は、ホールーマークに対し、同性愛者のCMや映画の放送を再考するよう嘆願の募集を開始していた。13日午後までに2万5,000人の署名が募られたという。
SNSでボイコット騒ぎに
放送中止を受け、SNSにはLGBTQコミュニティーからホールーマークを非難する意見が多数投稿され、15日にはボイコットを促す#boycotthallmarkがトレンド入りした。
Zolaは過去にもホールマークチャンネルで同性カップルが登場するCMが放送されており、特に問題はなかったという。
Zolaのマイク・チ(Mike Chi)最高マーケティング責任者(CMO)は、「全てのキス、カップル、結婚は愛を平等に祝福することであり、われわれは今後ホールーマークチャンネルに出稿しないだろう。」と語っている。
ホールマーク社は謝罪
非難を受け15日、ホールマーク・カード(Hallmark Cards)社のマイク・ペリー(Mike Perry)最高経営責任者(CEO)は、CM中止は「誤った決定だった。」として謝罪を表明した。
声明で「私たちの使命は、全ての人を繋げ、伝統を祝福し、人生の有意義な瞬間を得るようインスパイアする助けとなることだ。」と述べ、「ブランドを通じ、違いを称え、より包括的になる方法をこれからも模索していく。」と発表した。
LGBTQメディアの擁護団体GLAADは、ペリー氏の謝罪はコミュニティーにとって重要なメッセージだと述べ、さらに異議を唱えたLGBTQの人々を称えた。