ハードロックカフェで有名なハードロックインターナショナルが、ニューヨーク初となる「ハードロックホテル」を25日にオープンした。
場所はマンハッタンのタイムズスクエア(159 West 48th Street New York City, New York 10036)。周辺にはラジオ・シティ・ミュージックホールやロックフェラーセンター、ブロードウェイ劇場の数々など、ニューヨークを代表する建物や施設が立ち並んでいる。ホテルの建つ48thストリートは、かつては録音スタジオや楽器ショップが並んでいたことから、ミュージック・ロウ(音楽通り)とも呼ばれ、ミュージシャンや愛好家が数多く訪れる聖地だったという。
正面玄関やロビーの様子には、アリシア・キーズのドレスやジョン・レノン直筆の手紙など、貴重なアイテムが展示されています。
ホテルは、そんなレガシーを讃える意味も込められているようだ。
各共有スペースでは、ライブミュージックを提供し、全米最大のブロードキャスター「Audacy」とタッグを組み、トップアーティストのレコーディングセッションやライブを配信することも予定している。「The Venue on Music Row」と呼ぶ2フロアを使ったエンターテイメントスペースでは、ジャズクラブや隠れバー、ディナーショーが全盛だった頃の雰囲気を再現。音楽ライブに加えてファッションショー、アフターパーティ、ディナーガラにも使用することを想定している。
客室は446室あり、足元から天井までを覆う大きな窓から、ニューヨークの街並みを眺め、そのエネルギーを感じることができる。アイコニックなアーティストのイメージがプリントされたガラスドア、音の波動をイメージした模様のカーペット、ベッドのヘッドボードの上に設置した彫刻アートなど、嗜好を凝らした内装が施されている。
最上階の36階にあるのは「ロック・スター・スイート」と称したガラス張りのペントハウス。息を飲むニューヨークのパノラマビューが楽しめるほか、現代アート作品、音楽ゆかりの品々、市内最大級だという1,600スクエアフィートのテラスがある。ペントハウスは2階建で、下層には、吹き抜けのリビングとダイニングスペース、バーやパントリーのクローゼットが設置されている。ルーフトップにある「RT60 rooftop bar & lounge」につながるVIPドアもあるという。2階の豪華なベッドルームには赤を基調としたフリースタンドの浴槽、ウォークインクローゼットもある。
注目の一つはヤンキース・スタジアムで人気の高級ステーキレストラン「NYY Steak」だ。ヤンキースと提携し、初めてホテルにオープンした。選手のサインがモザイクのように飾られ、食器にも選手の背番号が印字されているなど、細かい演出が施されている。
「Sessions Restaurant & Bar」は終日オープンし、朝食、ランチ、ディナー用に豊富なメニューを提供する。もちろん生演奏を聴ききながら食事を楽しめる。34階にある「RT60」バーでは、カクテルと音楽の生演奏でナイトライフを盛り上げる。
内装は、世界的に知られるデザインスタジオ「ジェフリー・ビアーズ・インターナショナル」が手がけた。ギターやブラスバンド楽器、楽譜や音の波長など、音楽をモチーフにしたデザインが随所に織り込まれているという。
有名アーティストの愛用品の数々も飾られている。この中にはラモーンズのボーカリスト、ジョーイ・ラモーンが着用したレザーのバイクジャケットや、レディ・ガガが着用した銀のレザーパンツ、ジョン・レノンが1972年に発表した「New York City」の手書きの歌詞、Jay Zやビヨンセの特注衣装などが含まれているといい、まさに音楽ミュージアムのようでもある。
5月の宿泊費を調べてみたところ、二人部屋で一泊450ドル程度。音楽ファンはもちろん、ニューヨーク観光の思い出にぴったり。ぜひ泊まってみてはいかがだろうか。