4年前のバイデン氏より悪い?ハリス氏の状況を米紙コラムニストが分析

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米紙ワシントンポストの政治コラムニスト、フィリップ・バンプ氏は28日に掲載の記事で、世論調査のデータを元に、現時点におけるカマラ・ハリス副大統領の状況を過去3回の大統領選と比較。民主党のポジションは「1か月前よりはるかに良いが、4年前より良くない」と結論づけた。

それによると、ハリス氏が候補者となり、全国レベルで民主党の支持率が改善したが、2016年にクリントン氏、2020年にバイデン氏が同時期に共和党につけていた差を下回っている。激戦州に含まれるサンベルト(アリゾナ州、ネバダ州、ジョージア州)でヒラリー・クリントン氏とオバマ氏より「概ね良い成績」をおさめているが、バイデン氏を上回ることができたのはジョージア州のみ。五大湖周辺の3州(ミシガン州、ウィスコンシン州、ペンシルベニア州)すべてにおいて、クリントン氏とバイデン氏を下回っているとした。

バンプ氏は、今後ハリス氏が勢いを維持して差を拡大できるがが「極めて重要」とする一方、これらの6つの州の世論調査は「予想が外れる」ことで知られていると指摘。オバマ氏の結果は最終世論調査の平均を2.4ポイント上回ったが、クリントン氏は2.5ポイント、バイデン氏は3.7ポイント下回っており、もし過去2回の大統領選挙と同程度の的外れが起きれば、ハリス氏にとって問題になるとした。

もう一つの激戦州ノースカロライナ州について、ハリス氏は撤退前のバイデン氏よりも好調で、トランプ氏を追い上げて互角の状況に持ち込んだとする一方で、2016年と2020年の大統領選では民主党が同時期にわずかにリードしていたが、最終的に敗北に終わっていると加えた。

大統領選では激戦州の勝敗が鍵を握る。リアルクリアポリティクスによる世論調査の集計によると、ミシガン州とウィスコンシン州では、ハリス氏が2ポイント前後リードしているが、それ以外の州では両者の差は1ポイント以下となるなど、誤差の範囲内に留まっている。

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なお、以前からトランプ氏への支持が世論調査に反映されにくい点も指摘されている。

ピュー・リサーチ・センターによると、過去20年間の選挙で、トランプ氏が立候補しているときの世論調査は精度が低く、2016年と2020年は、特に州レベルで選挙前の調査に大きな誤差があった。2016年当時、トランプ支持者が世論調査員に回答を避ける傾向にあるとする「シャイ・トランプ現象」が観測者の間で広まったが、同センターは、こうした主張を裏付ける証拠はないと指摘している。