英王室を離脱し、現在カリフォルニア州で暮らすヘンリー王子夫妻。先月には第2子のリリベットちゃんを出産し、初めての米国生まれのロイヤルベビー誕生と話題になった。夫妻はこれまで、王室ゆえの「苦しみ」を味わったと明かしたり、テレビインタビューで王室を人種差別的だと批判したりしてきた。しかし今、ヘンリー王子夫妻は、英国で再びエリザベス女王に会うことを望んでいるという。
今月初め、ヘンリー王子はダイアナ元妃の生誕60周年を記念して製作された銅像の除幕式に出席するため、英国に一時帰国した。その際王子は、エリザベス女王立会いのもと、リリベットちゃんにウィンザー城で洗礼を受けさせたいと話したという。皇室に近い人物が、英デイリー・メールの記者に対し「ヘンリー王子は複数の王室関係者に対し、長男のアーチーちゃん同様、リリベットちゃんにもウィンザー城で洗礼を受けさせたいと話した」「二人は状況が許すまで待つのは構わないそうだ」などと明かしたと言う。メーガン妃が訪英するとなれば、昨年の公務引退以来初めてとなる。
ヘンリー王子夫妻が洗礼にこだわる理由として考えられるのが、王位継承権を巡る問題。デイリー・メールによると、リリベットちゃんは本来であれば王位継承順位8番目だが、英王室のウェブサイトによれば、誕生から6週間が経つ今もその地位を公式に得られていない。継承順位のリストは、洗礼を受けるまで更新されないと考えられているのだという。
現在継承順位8番目にいるのはチャールズ皇太子の弟、アンドルー王子だが、リリベットちゃんが公式に継承者となれば、その順番が9番目に繰り下がる。
アーチーちゃんの洗礼式では批判も
メーガン妃はカトリック系の高校に通っていたが、ヘンリー王子と結婚した2018年、チャペル・ロイヤルでカンタべリー大主教、ジャスティン・ウェルビー(Justin Welby)主導のもと、45分間に渡って洗礼の儀式を行い、英国国教会の信徒に改宗した。儀式はごく少数の側近のみが関わった私的なものだった。
夫妻の第1子、アーチーちゃんは、2019年にウィンザー城のセント・ジョージ礼拝堂で洗礼を受けているが、これを非公開としたことで大きな批判を浴びた。招待客はわずか25人で、裏口から入場したと言う。なお、25人の中にエリザベス女王は含まれていない。
また、王室では赤ちゃんのゴッドペアレンツの名前を公表するのが習わしとなってきたが、夫婦はこれも拒否した。
なお、チェルムズフォード大聖堂のニコラス・ヘンシャル(Nicholas Henshall)司祭は以前BBCに対し「洗礼は私的に行われるべきではない。神の愛を現す公式行事だ」と語っている。
先月は、エリザベス女王のあだ名の「リリベット」を命名したことが、物議を醸した。
王室離脱の理由について、ヘンリー王子は昨年、「有害」なマスコミの環境から「家族を救わなければなければならなかった」と語ったが、メディアの注目はますます高まるばかりのようだ。