ヘンリ・ベンデル(Henri Bendel)の親会社Lブランド(L Brands Inc)は、14日、ニューヨーク5番街のフラッグシップ店を含む11州23店舗を2019年1月に閉鎖することを発表した。1895年にグリニッジ・ヴィレッジに設立された老舗ラグジュアリー店は123年の歴史に幕を閉じることとなる。
Lブランドは、閉鎖理由について、「企業の収益性を高め、より成長可能性のある大きなブランドに注力するため。」と声明で述べた。eコマースのウェブサイトも同時期に閉鎖する予定。
オハイオを拠点とするLブランドは、ヴィクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)やバス&ボディーワークス(Bath & Body Works)などを傘下に持ち、現在3,084店舗を運営している。1985年にヘンリ・ベンデルを買収した。
CNNによると、2018年のヘンリベンデルの売上予想は8,500万ドルで、Lブランド全体の売上126億ドルのうちに占める割合は、比較的規模が小さい。
Lブランドの株は昨年55%下落しており、S&P500指数の中で、最もパフォーマンスの低い企業となっている。
ヘンリ・ベンデル123年の歴史
ヘンリ・ベンデルは、1895年、ルイジアナ出身の女性帽子メーカーのヘンリ・ベンデル(Henri Bendel)がグリニッジ・ヴィレッジ(Greenwich Village)に小売店を設立した。
1913年に5番街としては初のラグジュアリー小売店をオープン。米国で初めてシャネルのデザイナー、ココ・シャネル(Coco Chanel)の商品を取り扱ったことでも知られている。
1907年より使用されている、シグニチャーのブラウン&ホワイトストライプは、同店のトレードマークにもなっている。
1960年代には、ポップアートの旗手アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)が、インハウスのイラストレーターとして活躍していた。
現在は、ベンデルガール(Bendel girl)のイラストで知られるアイザック・ゼノウ(Izak Zenou)や、ミーガン・ヘス(Megan Hess)らがイラストを手がける。
フラッグシップ店は歴史的建造物に指定
ニューヨークのフラッグシップ店(住所:712 Fifth Avenue)は、歴史建造物に指定されているリゾーリ・ビル(Rizzoli building)と コティ・ビル(Coty building)内にある。コティ・ビルのリノベーション中に、フランスのガラス工芸家、ルネ・ラリック(René Lalique)がデザインしたガラス窓が発見され、1985年にニューヨーク市歴史建造物保存委員会 (New York City Landmarks Preservation Commission)は、双方の建物をランドマークに指定した。
ゴシップガールのロケ地
ブラウンストライプのショッピングバッグでお馴染み、ドラマ「ゴシップガール」のセリーナやブレアの御用達ショッピングスポットとして使用された。また、「お買いもの中毒な私!」(Confessions of a Shopaholic)や、「アップタウン・ガールズ」(Uptown Girls)にも登場する。
プレイフルなデザインと上質の素材を使ったアクセサリーは、アリアナ・グランデ(Ariana Grande)や、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)、カイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)などセレブにも愛用されている。
関連情報
1826年創業の米国最古のラグジュアリー百貨店ロード・アンド・テイラー(Lord & Taylor)も2019年初頭に5番街のフラッグシップ店を閉鎖すると発表した。
ヘンリベンデルは、ホリデーシーズンに向けて新商品の投入は引き続き行うとしている。