「小さな子供のよう」ヒラリー・クリントン氏、メラニア夫人への印象語る

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ヒラリー・クリントン氏は昨年、ジミー・カーター元大統領の妻ロザリン夫人の追悼式でメラニア夫人と再会した際、「小さな子供」のように感じたという。

今月17日に発売されたヒラリー氏の新著「Something Lost, Something Gained」では、メラニア夫人に抱いた心情が綴られている。The Hillが抜粋をもとに報じた

対面したのは2016年の大統領選以来で、メラニア夫人が参列することは事前に知らされていなかった。ロザリン夫人は生前、「分断の時代において団結を示したいとして歴代のファーストレディが集うことを望んでいた」という。

ジル夫人やミシェル夫人とともに到着した際、メラニア夫人はブッシュ元大統領の妻ローラ夫人と会話していた。ローラ夫人が挨拶のためにその場を離れ、一人残されたメラニア夫人について、「笑みを浮かべていたが、不安そうな顔をしているように見えた。誰も知らない誕生日パーティーの輪の端で、みんなが優しく接してくれることを待ち詫びている小さな子供を思い起こさせた」と様子を振り返った。

手を差し伸べて「こんにちは、メラニア。お久しぶりですね」と挨拶を交わし、夫のクリントン元大統領が「その後お元気ですか?」と話しかけたが、夫人は「笑みを浮かべたまま、ほとんど何も話さなかった」という。

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著書には、ヒラリー氏の心の葛藤が綴られている。

「夫が、ブッシュ夫妻やバイデン夫妻、オバマ夫妻、われわれ全員を侮辱した後、彼女がどのように受け入れられるか分からず、どれだけ気まずい思いをしたかは理解できる」。

「直感としては、妻というものは夫の行動に責任はないと思っている。しかし、彼女は夫の最悪の本能を助長していたのだろうか」。

「彼女は偏狭やヘイト商売にひっそりと加担していたのだろうか」。

一方、メラニア夫人がコートの色をめぐって不適切との批判を招いたことについては、公平さを欠いているとして夫人の判断を擁護した。

「葬儀で黒を着るというビクトリア朝時代の伝統は、レイバー・デーの後に白を着ることを禁じるのと同じ道をたどっている。ジェイソン・カーターは”クールなおばあちゃん”に敬意を示すためにグレーのスーツを着用した。バイデン大統領は青いスーツを着ていた。私が知る限り、どちらも非難されていない」。

「メラニア夫人がロザリン夫人に敬意を表すために着たものは完全に適切で、このような些細なことで非難されたことは残念だ」。

2018年にメラニア夫人が不法移民の児童の収容施設を訪問した際に起きた、服装をめぐる騒動にも触れている。

「確かにドナルド・トランプのブランドらしい」としつつも、「メラニア・トランプ氏に関しては、他の女性の容姿について判断を下さないという自分の方針を貫く。われわれはすでにそういうことをやりすぎている」と立場を示した。

メラニア夫人はこの日、背中に「I REALLY DON’T CARE. DO U?」(全く気にしていないけど、あなたは?)と書かれた緑のジャケットを着用し、専用機に乗り込んだ。行き先はトランプ政権の不寛容政策により親から隔離された不法移民の子供が保護されているシェルターで、あまりに無神経といった批判や困惑の声が飛び交った。

ただし、ヒラリー氏は自身の感情について、同情は否定している。
「過去数年間、トランプ家が国や世界、自身の家族に与えてきた醜悪や混乱の後、私は本当にメラニア・トランプに同情を寄せていただだろうか?そこまで言うつもりはない」。

なお、メラニア夫人の最初の出会いは、トランプ氏のフロリダにある邸宅マール・ア・ラゴで執り行われた結婚披露宴だった。「トランプ氏の結婚式を見るのは楽しいだろう」という「好奇心」から出席したと明かし、ほとんど会話を交わさなかったが「若くて、美しく、とっても背が高い」と初対面の印象を記している。