ヒラリー・クリントン元国務長官はファイナンシャル・タイムズのインタビューに答え、2024年大統領選に立候補する可能性を否定した。
2016年選挙でトランプ氏に敗退したクリントン氏は、再出馬は「ありえない」と述べ、「第一に、バイデン氏が出馬することを期待している。彼がその意向があるのは確かだ」とし、対抗馬になることは「非常に破壊的」と、党にマイナスになるとの考えを語った。
クリントン氏は、トランプ氏について「可能ならば、彼は再度出馬するだろう」と2024年に参戦するとの見通しを述べつつ、「共和党予備選で誰が対抗するかわからない」と加えた。
また、米国は「民主制を失う危機に瀕している」とも指摘。「最も重要なことは次回選挙で勝利すること」と述べ、勝利に役立たないものは、優先順位から外すべきと主張した。
民主党左派の提唱する「デファウンド・ザ・ポリス」(警察部門の縮小、予算削減を求める運動)に関して、「責任ある対策が必要で、取り締まりも必要だ。それがわからないというのは、政治の常識テストを合格していない」と批判。「右も左も一部の立場が極端すぎて、それぞれのコーナーに後退している」と述べ、「政治は足し算であって、引き算であってはならない」と話した。
バイデン氏は、2024年選挙を戦う意向を繰り返し示唆しており、アドバイザーらは出馬宣言のタイミングについて、2023年春を検討しているとも報じられている。
一方、各種世論調査では支持率が軒並み最低を記録しており、党内からは、中間選挙で民主党を救えるか、その能力を疑問視する声が上がっているほか、2024年には「関係を断つべき出走者」と見る向きが増しているとも伝えられている。
高齢であることから、選挙戦を戦い抜けるかを懸念する声も多い。米国史上最高齢で大統領に就任したバイデン氏は現在79歳で、当選した場合の2期目のスタート時には82歳になる。
ヤフーニュースとYouGovが最近実施した世論調査では、64%がバイデン氏は出馬するべきでないと回答。議事堂襲撃事件の調査委員会による公聴会をめぐって、刑事訴追の可能性が取り沙汰されているトランプ氏(55%)を9ポイント上回る結果となった。