歴史家が懸念するヒトラーとトランプ氏の類似性と重大な違いとは?

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ヒトラーとナチスの台頭とトランプ前大統領およびMAGA運動の台頭の間には多数の類似性と同時に、懸念すべき重大な違いがあるとして、専門家が警鐘を鳴らした。

ハーグにある歴史的正義と和解研究所の所長で、『ヒトラーの秘密図書館』の著者、ティモシー・ライバック氏はSalonのインタビューで、立法の行き詰まりや政治の極化、煽動的なニュースの氾濫、拳銃の蔓延をはじめとする「アメリカとワイマール共和国の類似に驚かされている」と説明。「まるでデジャブのようだ」と述べ、両者の言動を対比した。

「ヒトラーは1932年春の大統領選で600万票差で負けた後、不正投票と州当局による不正行為を主張し、結果の転覆を求めて訴えた。トランプ氏は2020年大統領選において一般投票で700万票差、選挙人74人差で負けたが、その後、不正投票や州当局による不正行為を主張し、結果を覆そうと訴えた。どちらの訴訟も即座に却下された」。

続けて、トランプ氏の独裁的な姿勢を示す発言に言及。

「トランプ氏は1日間独裁者になると言ったが、ヒトラーは千年帝国を約束した。24時間であろうと千年であろうと、政治的意図を表明した対句としては、想像する限り最もゾッとするものだ」。

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「ヒトラーは政権を握るとすぐに政敵への復讐を誓い、”首が飛ぶ”と約束した。長いナイフの夜を覚えているだろうか。ヒトラーが主要な政敵を殺害した月からちょうど90年後の2024年6月、トランプ氏は”ギロチンを引きずり出せ”というフレーズとともに、自分の政敵への復讐を誓った」。

トランプ氏は昨年12月、FOXニュース主催のタウンホールで、「独裁者になるつもりはないですよね、って彼(司会のショーン・ハニティ氏)が言うから、私はこう答えた。いいえ、初日以外は。われわれは国境を閉鎖して、石油を掘る。その後は独裁者にはならない」と語った。

今年6月に”不倫口止め料裁判”で有罪評決を受けた数日後、トランプ氏は支持者らに「ギロチンを引きずり出せ」と件名をつけたメールを送り、寄付を呼びかけた。

ライバック氏また、議事堂襲撃事件につながった首都ワシントンの集会を前に、トランプ氏がSNSに投稿した「そこに行け、ワイルドになるぞ!」は、ヒトラーが1932年11月の選挙を控えた集会で支持者に呼びかけた”Es wird wild werden”と「ほぼ完璧な韻を踏んでいる」とも指摘。

さらに、トランプ氏はヒトラーにとって夢物語にすぎなかった状況にあると述べた。

「最も心配なのは、ヒトラーとナチ党は公平な選挙で全国投票の37%を超える支持を獲得したことがないが、トランプ氏は約50%以上の支持を得ているという事実だ」。

「ヒトラーが夢にしか見ることのできなかった国民の支持率だ」と加え、問題は今後、「ジョー・バイデン氏の歴史的な決断とカマラ・ハリス氏の歴史的な立候補が、世論調査の数字と最終的に投票所にどれほど影響を与えるかだ」と続けた。