下院民主党 司法妨害や汚職など、トランプ大統領の広範囲な疑惑調査を開始

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下院司法委員会は4日、トランプ大統領や関係者、トランプ氏のビジネスに関する様々な疑惑追及に向け、80以上の人物または組織に資料の提出を求めるなど、広範囲にわたる調査を開始した。

声明によると主な調査範囲は、犯罪捜査への干渉や違法行為の隠蔽といった司法妨害、違法な選挙資金や個人的利益を目的とした公職の立場の不正利用などの汚職、メディアや司法、法執行機関に対する攻撃や恩赦権限などの大統領権限の不正利用といった権力乱用についてカバーする。

下院司法委員会のジェロルド・ナドラー(Jerrold Nadler)委員長(民主党)は、調査を「法の支配への脅威に対する調査」と呼び、「議会の責務であり、司法委員会の中核的機能」であると語った。「モラー特別検察官の捜査を尊重し、守らなければならない」としつつ、「我々に必要な調査を他人に頼ることはできない。司法省高官が特別検察官の捜査を公にしない可能性を示した今、我々の調査は一層の緊急を要する。」と語った。

各メディアでは、ロバート・モラー特別検察官による捜査の完了が間近であるとの憶測が広がっている。

委員会が資料の提出をもとめる中には、ホワイトハウスや司法省のほか、トランプ・ジュニア氏やエリック・トランプ氏などの家族、トランプオーガニゼーションやアレン・ワイセルバーグ財務最高責任者(Allen Weisselberg)といったトランプ氏のビジネス関係、キャンペーンでトランプ氏を支えたポール・マナフォート氏やロジャー・ストーン氏、 トランプ氏と性的関係のあった女性の口止め工作を行ったAmerican Media Incのデビッド・ペッカーSEOなどが含まれる。さらにマイケル・フリン前大統領補佐官、ジェフ・セッションズ前司法長官、ドン・マクガーン前ホワイトハウス法律顧問、スティーブ・バノン元大統領上級顧問やラインス・プリーバス元首席補佐官、娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問にも提出を求めている。

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前日、ABCの日曜の報道番組「this week」に出演したナドラー委員長は、「大統領による司法妨害があったと考えるか」と聞かれ、「とても明らかだ。彼は1,100回もモラー捜査を”魔女狩り”と呼び、FBI捜査の対象だったフリンをかばった。NBCニュースに自分で語ったようにロシア捜査をやめさせるためにコミーを解雇した」と語った。

一方で弾劾の可能性については、「弾劾のための証拠がすべて出揃っていない」と慎重姿勢を見せた。弾劾の前に、国民や反対派の納得を得る必要を述べ、「高い壁」があると語った。

司法委員会の動きを受け、トランプ大統領はツイッターで「民主党が共謀から別の理由にスイッチしようとしている」と、理由を変えて疑惑追及を行おうとしていると非難。「前回の選挙の人々の意思を汲むことのない、怒った負け犬のよう」と述べた。

Osamu F. MahupReporter.com
福崎 治 / Mahup Reporter 運営・編集責任者。ご意見、ご要望はメールにてinfo@mashupreporter.com