米連邦議会下院は1日、マリファナを連邦レベルで合法化する法案を220-204で可決した。
結果はおおむね党派にわかれた。共和党議員3人が賛成にまわり、民主党2人が反対票を投じた。
法案「マリファナ機会再投資および抹消法案(Marijuana Opportunity Reinvestment and Expungement Act)」では、マリファナを規制物質法(CSA)の対象物質から削除し、マリファナを製造、流通または所持をしている個人に対する刑事罰が取り除かれる。
法案のサマリーにはこのほか、過去の犯罪歴を抹消する手続きの確立、麻薬撲滅政策で影響を受けた個人や事業、コミュニティを支援する基金の設立、マリファナ関連の事業者へのローンの提供などが盛り込まれている。マリファナ製品に対して物品税を課し、製造施設から営業免許税を徴収するとある。
NBCニュースによると、ナンシー・ペロシ下院議長(民主党 カリフォルニア)は採決に際して「この画期的な法案は、最近の歴史で最も重要な刑事司法改革法案」と意義を説明。「犯罪化で残忍かつ不公平な結果により被害を受けた人々」に正義を与え、「業界に参加する人々に公平な機会」を提供すると主張した。連邦レベルでマリファナを非犯罪化することで、「過去の重大な過ち」を繰り返さないようにするものだと語った。
全米州議会議員連盟の統計によると、現在37州とワシントンD.Cで医療用マリファナを合法化する法律が施行されている。このうちの18州とワシントンでは、嗜好目的のマリファナが合法化されている。
ちなみにニューヨーク州では昨年3月末に、嗜好用マリファナ(大麻)の合法化法案が成立した。
上院通過の見込み厳しく
2020年にも下院では同様の法案が通過しているが、上院で採決にいたらなかった。
民主党の上院トップ、チャック・シューマー多数党院内総務は、同様の法案を提出する準備を進めている。ただしフィリバスターを阻止して、最終投票に持ち込むのに必要となる60票を集めるのは厳しいと見られており、法案が成立する見込みは低い。
民主党の全上院議員50人の賛成を得られるかも不明。The Hillは、ジョー・マンチン議員(ウエストバージニア州)とジーン・シャヒーン議員(ニューハンプシャー州)が懐疑的な姿勢を示していると伝えている。