リアルクリアポリティクスによる主要世論調査の集計では、5日に民主党の大統領候補としての正式指名を勝ち取ったハリス氏がトランプ氏を逆転し、現在1ポイントリード(ハリス:47.9ポイント、トランプ:46.9ポイント)している。
クリントン政権で大統領上級顧問を務め、政治ストラテジストとして活動するダグ・ソスニック氏は、ニューヨークタイムズの寄稿で、党内の熱量と自信はオバマ氏を初の黒人大統領に押し上げた2008年以来の強さだと指摘。選挙の勢力図はバイデン氏の支持率が崩壊する前の状態に戻ったと分析を示した。
同氏によると、アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ノースカロライナ、ペンシルベニア、ウィスコンシンの激戦7州が再び両者の雌雄を決する舞台となる。7州を除くと、選挙人の数では現在ハリスが226票、トランプ氏は219票を確保できると見られている。残る票数は93票で、270票に達した者が勝利する。
ハリス氏には、270票に達するために、バイデン氏が2020年に8万票差で勝利したペンシルベニアを要とした6つの道と、それ以外の2つのルートがある。
・ペンシルベニア(19)・ウィスコンシン(10)・ミシガン(15)
・ペンシルベニア(19)・ウィスコンシン(10)・ジョージア(16)
・ペンシルベニア(19)・ウィスコンシン(10)・アリゾナ(11)・ネバダ(6)
・ペンシルベニア(19)・ミシガン(15)・アリゾナ(11)
・ペンシルベニア(19)・ミシガン(15)・ジョージア(16)
・ペンシルベニア(19)・ジョージア(16)・アリゾナ(11)
ペンシルベニア以外
・ウィスコンシン(10)・ミシガン(15)・ジョージア(16)・アリゾナ(11)
・ウィスコンシン(10)・ミシガン(15)・ジョージア(16)・ネバダ(6)
トランプ氏の場合、従来共和党の候補者に有利とされるノースカロライナ(16)が要となる。同州を取れなければ、勝利は見通せないという。
ノースカロライナで勝利するとして、2020年に競り負けたことを除き、1992年以来共和党が勝利するジョージア州とそれ以外に分けられる。
・ノースカロライナ(16)・ジョージア(16)・ペンシルベニア(19)
・ノースカロライナ(16)・ジョージア(16)・ミシガン(15)・ネバダ(6)
・ノースカロライナ(16)・ジョージア(16)・ミシガン(15)・アリゾナ(11)
・ノースカロライナ(16)・ジョージア(16)・ウィスコンシン(10)・アリゾナ(11)
ノースカロライナで勝利、ジョージアを落とす場合
・ノースカロライナ(16)・ミシガン(15)・アリゾナ(11)・ウィスコンシン(10)
・ノースカロライナ(16)・アリゾナ(11)・ネバダ(6)・ペンシルベニア(19)
また、ソスニック氏がポリティコのインタビューで語ったところによると、激戦7州で勝敗を左右する注目すべきグループは、以下のとおりとなる。
・ジョージアとノースカロライナの黒人有権者、アリゾナとネバダのラテン系有権者
・白人労働者階級の有権者
・ニッキ・ヘイリー支持者
・無党派層
ハリス氏はバイデン氏が失った黒人有権者の支持を回復したが、ラテン系の有権者の支持は2020年の水準に戻っていないという。白人労働者階級の有権者の割合は全国で40%を下回っているが、ミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンでは5割を超えている。2022年の中間選挙で激戦州において民主党の勝利を後押ししたのは「幻滅した」共和党支持者であったことから、ヘイリー支持者も鍵を握ると考えられるという。