大統領選に無所属として出馬を表明しているロバート・ケネディ・ジュニア氏は3日、ユタ州で投票用紙に記載されるのに必要な1,000人の署名を集め、同州の選挙管理局に正式な届出を提出した。ケネディ氏にとって、候補者資格を得るのはユタ州が初。
ケネディ氏は、1968年に暗殺されたロバート・F・ケネディ元司法長官の息子であり、ジョン・F・ケネディ元大統領の甥にあたる。
初めての候補者資格を得たことで、11月に無所属候補と2大政党の候補者が有意義なレースを展開する可能性が増した。
先月発表されたクイニピアック大学の世論調査では、民主党のバイデン氏と共和党のトランプ氏、ケネディー氏の三つ巴の争いを想定した場合、バイデン氏の支持率が38%、トランプ氏が36%、ケネディー氏は22%となった。
勝機はある?
この日、ニュースネーションのインタビューに出演したケネディ氏は、困難だが、残りの50州と首都ワシントンにおける候補者資格の獲得もうまくいくと思うと自信を示した。各州で草の根で署名を集める”アーミー”が活躍していると加えた。
その後、本選の話題に。トランプ氏とバイデン氏から当選に必要な選挙人の数(270人)を奪うことに成功しても、その場合、共和党のトランプ氏の勝利を事実上助けることになるのではないかと尋ねられると、「そうは考えていない」と反論した。
大統領選では、各州の結果に応じて得られた選挙人(elector)の数が、過半数(270人)に達した候補者が勝利する。ただし、いずれの候補者も270に満たなかった場合、憲法修正第12条に基づいて下院が大統領を、上院が副大統領を投票によって選出する。
下院では、人口に関係なく各州が一票を有し、全州の過半数にあたる26票を獲得した候補者が大統領に就任する。 そのため、複数の議員がいる州の議員は、どの候補者にその単一票を与えるかを決定するために、内部投票を実施する必要があるとされる。
ケネディ氏はこの点に注目し、多くの州で議員の所属政党が割れていると指摘。共和党と民主党の議員が同数(各4人)のミネソタ州を例に挙げ、「民主党議員は決してトランプに投票せず、共和党はバイデンに投票することはありえない」と述べた上で、結果として「妥協した候補者」に票が与えられる、「それが私だ」と主張した。
司会者は「興味深いですね」と述べつつも、「そのように考えたことはありませんでした」とやや疑問の表情を浮かべながらセグメントを締めくくった。