2005年より再開発が進められてきた「ハドソンヤード」(Hudson Yards)特別区の約半分のエリアが15日、グランドオープンする。
マンハッタンの西30丁目から34丁目の10、11アベニューに位置するハドンヤーズは、4棟の超高層オフィスビル、アパートメント、コンドミニアムとホテルなどの複合ビル、ショッピング・レストランのホテルホテル施設、パブリックパークなどで構成される。
総工費250億ドル(約2兆7800億円)以上を投じたメガプロジェクトで、ニューヨークとしてはロックフェラーセンター以来、民間企業による開発としては米国最大規模となる。
開発を手がけたのは、リレイティッド・カンパニーズ(Related Companies)とオックスフォード・プロパティーズ・グループ(Oxford Properties Group)。
Vessel(仮)
英国のデザイナー、トーマス・ヘザウィック(Thomas Heatherwick)氏が手がけたニューヨークの新たなパブリックインスタレーション「ベッセル」。2万平方メートルのパブリックパークの中心に建てられた。
ハチの巣のようなジオメトリックなデザインは、2016年にデザインが披露され、2017年4月に着工した。ヘザーウィック氏によると、人々が新たな景色や視点を楽しむことができるデザインとなっている。154箇所で接続された階段は、合計2500段、80箇所の踊り場がある。総工費2億ドル(約222億円)を投じて建設された。
開園時間は午前10時から午後9時の間で、ベッセルに入場するには、オンラインでの予約が必要となる。
なお、一般的にはベッセルとして知られているが、最終的な名前については決定していない。
周囲のパブリック・プラザは、ランドスケープ建築家のネルソン・バード・ウォルツ(Nelson Byrd Woltz)氏が設計した。約3万の野生植物や木が植えられており自然に溢れるエリア。ハイラインと接続されており、アウトドアシートも設置される。
*3月15日オ-プン
The Shops and Restaurants
100店以上の小売や25店のレストランが入る7階建ての複合施設。
コーン・ペダーセン・フォックス(KPF)が設計し、内観はエルカス・マンフレディ・アーキテクツ(Elkus Manfredi Architects)が担当した。
レストランは、デイビッド・チャン(David Chang)や、トーマス・ケラー(Thomas Keller)、マイケル・ロモナコ(Michael Lomonaco)、コスタス・スピリアディス(Costas Spiliadis)のような有名シェフのレストランのほか、シェイク・シャック(Shake Shack)やフク(Fuku)のようなファストフード店も入る。
ショッピングセンターには、ニーマン・マーカス(Neiman Marcus)、コーチ(Coach)、スチュアート・ワイツマン(Stuart Weitzman)といった高級ブランドから、H&Mやユニクロ、Zaraなどのカジュアル衣料品、MUJIやセフォーラなど約100店舗が入る予定だ。
平日、土曜日は午前10時から午後9時、日曜日は午前11時から午後7時までの営業。
スナーキテクチャー(Snarkitecture)による体験型エキシビジョン「スナーク・パーク」(Snark Park)も注目の施設。入場は大人28ドル、子供22ドル。
*3月15日オ-プン
The Shed
1万9000平方メートルのカルチャースペース「シェッド」には、エキシビジョンやコンサート会場として使用される。
ロックウェル・グループ(Rockwell Group)と、ディラー・スコフィディオ+レンフロ(Diller Scofidio + Renfro)が設計した。
6階ホールでは、1250座席または2700人をスタンディングで収容することができる。最上階には、アーティストラボやイベントスペースなどを備える。
トリシャ・ドネリー(Trisha Donnelly)やビョーク、映画『ソーリー・トゥ・ボザー・ユー』(Sorry to Bother You)のブーツ・ライリー監督などのイベントが予定されている。
*2019年4月5日オープン
Edge
コーン・ペダーセン・フォックス(KPF)が設計した30ハドソンヤードの100階にある展望台「エッジ」。高さ300メートルは、西半球で最も高い展望台となり、スカイラインやハドソン川を見下ろすことができる。英国のホスピタリティグループ、ルバーブ(Rhubarb)が運営するレストランがオープンする。
*2020年完成予定
10 Hudson Yards
建築会社コーン・ペダーセン・フォックス(Kohn Pedersen Fox、KPF)が設計した52階建ての高層ビル。2012年に建設が始まり、2016年にハドソンヤードで初めて完成した。コーチ(Coach)や、ロレアル(L’Oreal USA)、ソフトウェア会社のSAP、ソーシャルメディア代理店のヴァイナーメディア(VaynerMedia)などがテナントに入っている。
来年には、シェフのホセ・アンドレ(Jose Andres)が、3251平方メートルの面積のフードホール「メルカド・リトル・スペイン」(Mercado Little Spain)を10ハドソン・ヤードにオープンする。
場所:northwest corner of 30th Street and 10th Avenue.
15 Hudson Yards
建築会社ディラー・スコフィディオ+レンフロ(Diller Scofidio + Renfro)らが設計し、内観はロックウェル・グループ(Rockwell Group)やイスマエル・レイバ・アーキテクツ(ismael Leyva)などが担当した。
285戸のコンドミニアム(半数は既に売約済み)で構成され、広大なフィットネスやプールの他に、プライベートのコーワキングスペースを備える。昨年100戸のアフォーダブルハウジング(月額家賃858ドル)の抽選が行われた。
場所:northeast corner of 30th Street and 11th Avenue
30 Hudson Yards
コーン・ペダーセン・フォックス(KPF)が設計する高層オフィスビル。高さは400メートル近くで、ハドソンヤーズで最も高い建物となる。ビルは今年中に完成し、展望台は2020年にオープン予定。HBOや、タイム・ワーナー(TIme Warner)、CNNなどが入居予定。
場所:southwest corner of 33rd Street and 10th Avenue
35 Hudson Yards
高さ300メートルを超える多目的高層ビルで、1ワールドトレードセンターや六本木のミッドタウンなどを手がけた、米国最大級の建築事務所スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル(Skidmore, Owings & Merrill)が設計を行った。エクイノックス(Equinox)初のコンセプトホテルとなる。
143戸のコンドミニアムが3月15日から販売される。2ベッドルームが5億5000万円からで、平均価格は12億2000万円となる。スクリーンルームやソウルサイクル(SoulCycle)のフィットネスセンター、プレイルームなどを完備する。
場所:southeast corner of 33rd Street and 11th Avenue.
50 Hudson Yards
58階建ての高さ300メートルの高層ビルは、2022年完成を予定しており、ハドソンヤード内で2番目に高い建物となる。イギリスの有名建築家ノーマン・フォースター(Norman Foster)氏が設計した。オフィスや小売店がテナントとして入居する。
場所:northwest corner of 33rd Street and 10th Avenue
55 Hudson Yards
三井不動産が、5500億円を投じた51階建ての高層オフィスビル。高さ237メートルのガラスの高層ビルは、コーン・ペダーセン・フォックス(KPF)とケヴィン・ローチ、ジョン・ディンケルー(Kevin Roche John Dinkeloo)が共同設計した。
クーリー(Cooley LLP)、ミルバンク(Milbank)、ボイズ(Boies)、シラー&フレックスナー(Schiller & Flexner LLP)などの法律事務所が、ヘルスケアや未公開株式投資会社と共に、テナントとして入居する。
場所:across from the No. 7 Subway station
33階建ての賃貸用ビル「ワン・ハドソン・ヤーズ」(One Hudson Yards)は、建築会社のデイビス・ブロディ・ボンド(Davis Brody Bond)が設計を担当。内観はアンドレ・キコスキー・アーキテクト(Andre Kikoski Architect)、イスマエル・レイバ・アーキテクツ(ismael Leyva Architects)が設計した。
スタジオから4ベッドルームのペントハウスまで、178戸の賃貸住宅がある。月額家賃は1ルームサイズのスタジオで5095ドル(約57万円)から。3メートルの高い天井で開放的な空間と、マンハッタンのスカイラインを楽しめる。プールやジム、バスケットコート、ボーリング場などを完備する。*オープン済